総務省の家計調査によれば、主な収入を年金などに頼る65歳以上のシングル世帯は毎月約3万4千円の赤字、65歳から90歳までの26年間赤字だとすると約1千万円足りないという。賢く資産形成を考えるための、節約術を紹介する。

 まず、民間保険の税制優遇を上手に活用したい。

 年末調整や確定申告で「生命保険料控除」を申請したことがある人も多いだろうが、ほかに「個人年金保険料控除」と「介護医療保険料控除」も使える。いずれも所得税の控除が最高4万円。住民税の控除は最高2.8万円(三つとも申告する場合は合計7万円が上限)。

 税理士の西原憲一さんの計算によると、課税所得330万~695万円の人で所得税・住民税が最大約3万1500円控除される。

 ただ、保険の加入時期によっては、注意が必要だ。2012年1月に、介護医療保険料控除が創設され、以前からある生命保険料控除と個人年金保険料控除の控除限度額が各4万円(旧制度は各5万円)に引き下げられた。11年12月31日以前に契約した保険は、旧制度の適用対象で、現在でも限度額は各5万円。保険会社等から送付される「保険料控除証明書」に新旧の区分と控除の種類が書かれているので、よく確認しよう。

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