同僚にICカード式の社員証を渡し、自分の出勤時刻の記録を“偽装”したのだ。1年以上にわたって繰り返し、50万円以上のカラ残業代を稼いでいた。発覚後、その社員は係長からヒラに降格にされたという。

 ある楽器メーカーの女性社員は、フレックスタイム制を巧みに利用し、残業代を稼ぐ。フレックス制は自分の都合に合わせて、始業や終業時間をずらすことができる。この女性の勤務は、おおむね1日11時間。女性はあえて午前11時に出社し、午後11時に退社するよう調整している。

 労働基準法が午後10時以降の深夜労働に対し、時間給の50%増しの残業代を払うよう定めていることを知っているからだ。女性の場合、深夜労働分はわずかに1時間だが、

「チリも積もれば山、ですよ」

AERA 2014年6月30日号より抜粋