いま、マネーセミナーに通う30代女性が増えている。その理由は「長生きリスク」だ。

 国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、今の30歳が65歳になる2050年は、女性の平均寿命が90歳まで伸びる。リタイア後、30年分の生活資金を確保しなくてはならない。

 老後を見据えて、一体、いくら必要になるのか? 女性向けのマネー相談会社「エフピーウーマン」代表の大竹のり子さんは、こうアドバイスする。

 総務省の家計調査によれば、主な収入を年金などに頼る65歳以上のシングル世帯は、毎月約3万4千円の赤字。仮に65歳から90歳までの26年間赤字だと、約1千万円足りない。

病気介護の費用も考えれば、最低でも1500万円は貯めたほうがいい」

老後対策の基本のキは、年金受給額を確認すること。毎年、はがきで送られてくる「ねんきん定期便」には必ず目を通そう。ファイナンシャルプランの専門会社「家計の総合相談センター」代表の吉田江美さんによると、派遣や契約社員の経験がある人は要注意だ。

 国民年金の未加入期間があったり、第2号被保険者と第1号被保険者を行き来していたりするケースがあるので、年金加入期間が正しく記載されているか、確認したほうがいい。

 定期便には、「これまでの加入実績に応じた年金額」が書かれている。50歳未満の人の定期便に書かれた年金額は、あくまで途中経過。

「『もし今の時点で年金をもらったら』の数字です。今後、定年まで保険料を納める分が計算されていないので、低くて当然です」(吉田さん)

 もう少し具体的な数字を知るには、日本年金機構が提供するウェブサービス「ねんきんネット」が便利だ。収入と勤続期間によって、受給額がどう変わるかシミュレーションできる。

AERA 2014年6月23日号より抜粋