企業や政界、芸能界に至るまで、今、40代の活躍が目覚ましい。日本はもちろんだが、欧米、アジアなど、活躍するアラフォーは世界に広がる。

 アラフォーの経営者が活躍するのは、IT業界だ。グーグル、ツイッターとも共同創業者はみな40代前半だ。若くして起業し、地道に成果を積み上げる。そんな成功のスタイルが、アップルのスティーブ・ジョブズや、マイクロソフトのビル・ゲイツの時代から、脈々と受け継がれている。

 アジアでも、アラフォーの「勝ち組」が目立つのはビジネス界だ。中国で改革開放路線が本格化した1990年代に創業して成功をおさめた人々が、この世代に集中している。

 代表格は、中国最大のネット企業として急成長を続ける「テンセント」の会長兼CEO、馬化騰(42)。コンピューターおたくの若者が、98年に友人と一緒に母親からお金を借りて創業した。中国版ツイッター「微博」など、さまざまなSNSサービスを次々と打ち出し、数億人のユーザーを囲い込む。馬は今や、中国の富豪トップ10の常連だ。

 中国で最も人気がある外国車は、独フォルクスワーゲン(VW)だ。そのVWと上海汽車の合弁企業の社長に抜擢された張海亮(43)は、「夢を売るビジネスマン」と呼ばれ、積極経営で頭角を現した。日中関係の悪化でシェアを落とす日本勢を尻目に、独り勝ちの様相だ。

 芸能界でもアラフォーは元気だ。韓流スターも40代にさしかかり、日本にもファンの多い俳優のチャ・スンウォンは6月、イ・ビョンホンは7月の誕生日で44歳になる。台湾のナンバーワンモデル、林志玲(リンチーリン)(39)は、11月の誕生日で40歳。映画「レッドクリフ」に出演し、日本での人気も高い。最近はアジア全域で魅力全開の活躍をみせる。

 政界はといえば、欧米では40代の政府首脳は珍しくない。一方、年功序列の傾向の強いアジアは、そうもいかないが、台湾では国民党の蘇俊賓・党組織発展委員会主任(37)、民進党立法委員(国会議員)の蕭美琴(42)という与野党の2人が、30代から要職を歴任。未来の総統候補ともうわさされている。

AERA  2014年6月9日号より抜粋