レオナルド・ディカプリオ。環境保護にも熱心で、2013年3月の来日時には朝日新聞の取材に「絶滅が心配される動物の保護に力を注ぎたい」と語っていた(写真:gettyimages)
レオナルド・ディカプリオ。環境保護にも熱心で、2013年3月の来日時には朝日新聞の取材に「絶滅が心配される動物の保護に力を注ぎたい」と語っていた(写真:gettyimages)

 米国のオバマ大統領は47歳、ロシアのプーチン大統領は47歳、英国のキャメロン首相は43歳で、それぞれ就任したように、政界では40代で国のかじ取りを担うことも珍しくない。働き盛りの40代でハードワークに徹して人生の目標を達成し、あとは社会貢献や趣味の世界で生きるライフスタイルが定着している。

 もっと時間の進行が早い世界がある。「40歳限界説」があるハリウッドだ。どんなに人気や演技力がある俳優でも、

「40歳までにプロデューサーにならなければ、俳優のキャリアは尻すぼみになる」

 米国在住の映画評論家、町山智浩さんはそう指摘する。

 俳優レオナルド・ディカプリオは今年11月の誕生日で40歳になる。20代で映画「タイタニック」に主演し、甘いマスクで女性ファンの心をわしづかみにした「レオ様」だが、年を重ねれば容貌も変わる。
 
 30代は「アカデミー賞を取らせてくれる企画」を熱心に探した。「アビエイター」「ウルフ・オブ・ウォールストリート」などで主演男優賞にノミネートされたが、なかなか賞が取れない。おじさん役、悪役、麻薬中毒者役……。色々な役柄に挑戦してきたが、いよいよ40代。レオ様の「次の一手」は見えない。
 
 40歳で成功するには人気のみならず、実力や知性がものを言う。それはスポーツ界も同じ。今季限りで引退を表明した大リーグ、ヤンキース主将のデレク・ジーターは、6月の誕生日で40歳。昨秋には出版社「ジーター・パブリッシング」を立ち上げると発表した。元NBAスター選手のシャキール・オニール(42)は大学院に進み、教育分野で博士号を取得した。

 米国在住のスポーツライター、杉浦大介さんは、セカンドキャリアの厳しさをこう指摘する。

「名選手でもそのままコーチや監督になれるとは限りません。選手のキャリアに見切りをつけ、アシスタントなどコーチの経験を積んで、40歳ぐらいで監督として活躍する人もいます」

AERA 2014年6月9日号より抜粋