体の状態を知る、ひとつの指標となる人間ドック。結果に一喜一憂してしまいがちだが、有効に活用するには継続受診が重要になるようだ。

 人間ドックの検査結果は、項目ごとに、A異常なし、B軽度異常、C要経過観察・生活改善、D要医療と判定が示される。AとBが正常域だが、B判定は高いほうに寄っているので生活習慣の修正が必要だ。Cは3~6月生活習慣を修正しながら再検査し、改善がなければ専門医を受診したほうがよい。Dは生活だけでなく、薬物療法なり精密検査なりが必要だ。

 実は人間ドックで、もっとも大切なことは検査後のケアである。受診者はA、Bなどの記号を見ながらC以上の評価が出ていれば、さらに専門医を訪ねることになるが、その時参考になるのが、過去何年かにわたって定期的に受けた検査の数値だ。

 専門医も、検査結果1回分だけで正確な判断はできない。数年分あれば、受診者の傾向を読む参考になる。ある検査項目が基準より高めでも、状態が安定していてその他の検査にも異常がなければ、そもそも高めの体質ということもありうる。

AERA  2014年6月9日号より抜粋