感情のコントロール可能に?「自律訓練法」記者が体験

AERA
勤労者メンタルヘルスセンターのリラクセーションルームは予約不要。誰でも1千円から利用できる(撮影/写真部・工藤隆太郎)
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勤労者メンタルヘルスセンターのリラク...

 大切な友人やボーイフレンド……これまで、暴発する「感情」のために多くのものを失ってきた。そんな私に最適?記者が試した自律神経を制御する療法の効果はいかに。

 訪ねたのは横浜労災病院(横浜市)にある「勤労者メンタルヘルスセンター」だ。同病院では、「治療は心療内科、予防はメンタルヘルスセンター」(同センター長の山本晴義医師)という位置づけで、電話やメールでの心の相談なども積極的におこなうことで知られる。今回お目当ての「自律訓練法」も、療法のひとつとしておこなっている。

 緊張やリラックスしたときに働く自律神経だが、これを人の意思でコントロールすることは不可能。それを訓練によって、ある程度制御できるようにしようというのが自律訓練法だ。同センターの臨床心理士、桃谷裕子先生の指導で、その第1段階を体験させてもらった。

「最初に深く椅子に座り、足の裏をぴったりと床につけて楽な姿勢になります。顔の筋肉も緩めたら、次に目を閉じてください」

 たぶんかなりのヘン顔になっているはずだが、はい。

「落ち着いていると感じられたら『気持ちが落ち着いている』と心の中で繰り返してください。次に『右腕が重たい』と心のなかで繰り返します。右腕が重たい、右腕が重たい……」

 なに、これ。ひねくれ者なので催眠術的なものにはかからないはず、と子どもの頃から信じていたのに、私って意外と単純。先生のソフトな指導の声と相まって、まるで催眠術にかかったように右腕が本当に重たくなってくるじゃないの。心なしか肩も、右側だけが重みで下がってきたような。

「では次に消去動作です。手を前で開いたり閉じたりしたあとキュッと胸に近づけて、体を目覚めさせてください。はい、グーパーキュッ……伸びをして目を開けていいですよ」

 このあと同じパターンで、「左腕」と「両腕」をやる頃には、血行がよくなるのか、指先もぽかぽかしてきた。ここに「両脚」「両腕両脚」を加えると「第1公式」と呼ばれる最初のレベルはおしまい。実際は数カ月指導を受けながら第6公式まで、筋肉、血行、呼吸、心臓など全身のコントロールをマスターして初めて、自律訓練法を身につけられるのだという。

「自律訓練法の目標は、いつでもどこでも自分の心身の状態を自分でコントロールできるようになること。全身の筋肉を緩めてリラックスすることで、心を緩める働きがあります。今日1回では無理ですが、この先トレーニングを続けてマスターすれば、感情をコントロールすることも不可能じゃないですよ」

AERA 2014年5月19日号より抜粋

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