海辺での事故防ぐため「ざらめ砂」に要注意

AERA
 今月4日に、新潟県上越市の海岸で起きた5人死亡の水難事故。波打ち際で遊んでいた子どもらが、突然来た高波にさらわれ、助けようと海に入った大人も波にのまれた。

 現場近くのホテルに勤め、長年、浜を見てきた男性はこう話す。

「波打ち際から先がすぐ深くなる海岸とはいえ、県外客は多い浜でした。いままでこんなことは起きなかったのですが……」

 一帯の海岸を調査したことがある海岸侵食問題に詳しい土木研究センターなぎさ総合研究室の宇多高明室長によると、現場一帯は、南にある直江津港に砂が吸い込まれて浜幅が狭くなった侵食海岸だ。細かな砂が減り、砂粒が粗くなっているため、波打ち際の勾配が急で、その分、波が岸を駆け上がるのも引き返すのも速い。

「足をとられた時には、大人でも足がつかない深みにはまることが多い」という。

 こうした侵食海岸に、あるタイプの波が来ると、一気に陸地深くまで波が打ち寄せると指摘するのは、東京大学の佐藤愼司教授(海岸工学)だ。

 波には2種類ある。(1)海岸付近で吹く風などを受けた波(2)遠くの外洋で吹く風を受けてでき、長い周期で浜に向かってくる波だ。佐藤教授は、

「長周期の波は、沖合では波が立たず、静かに岸に押し寄せるため、波打ち際にならないと大波かどうか分からない場合があります」

 そうした外洋で起きる波は、日本海側より太平洋側に多く到達するため、「今回は予測が難しかったのではないでしょうか」(佐藤教授)。

 長い周期の波が急勾配の浜に押し寄せれば一気に波打ち際で波が割れ、「高波」になる。 専門家の2人とも同様の現象は「日本全国どこででも起きる」と口をそろえる。

 海上保安庁によると2013年の磯遊びでの死者・行方不明者数は34人。それでは、安全に浜遊びをするためには、何に注意すればいいのか。

 浜に着いたらまず、その海岸の特徴を確認する。

 前出の宇多さんは、

「急に深くなるタイプの海岸の砂は、ザラメのように少し粗い。浜に着いたら、まず大人が先に降りて、砂をさわってみてほしい」

 と話す。

AERA 2014年5月19日号より抜粋

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