有名漫画家が描いたとされる「スタンプ」が、本人の作ではないことが判明した。LINEは販売を停止したが、購入者たちへの説明はみられない。

 問題となっているスタンプは「レベッカボンボンbyいがらしゆみこコラボ」。「キャンディ・キャンディ」で知られる、漫画家いがらしゆみこさんの名前がついたスタンプだ。だが、このスタンプについて、当のいがらしさんが、自分の作品ではないと話しているのだ。

 問題のスタンプは、商標権の売買などをしている都内A社の企画が発端だ。関係者や関係書類によると、A社は2012年9月、いがらしさん側にスタンプ製作を提案。翌10月、いがらしさんがキャラクターを描き、それをA社が商品化する内容の契約を、いがらしさんの会社(札幌市)とA社が結んだ。原画の修正や変更には、いがらしさんの承認が必要とする項目も含まれた。

 A社は同時に、グラフィックデザインの製作などを手がける都内B社と契約。B社が、スタンプ製作とLINEでの販売を担当することになった。いがらしさんはその後、契約に基づき、数点のイラストを描いた。ただ、女の子の全身が描かれているなど、スタンプには不向きと思える絵だった。

「描いたものは、Tシャツかバッグなどに使われると思っていました。よくある商品開発という認識で、契約してしまいました」(いがらしさん)

 結局、いがらしさんが描いた絵は、スタンプには使われなかった。

 同じころ、B社では、「A社からライセンスを得て、私どものスタッフがスタンプの絵を描きました」(B社社長)。それらの絵は12年12月ごろ、A社からいがらしさん側に、確認のため送られた。その後、LINEに納品され、13年5月、いがらしさんの作品として発売された。

 関係者の間で認識が異なるのが、B社が描いた絵について、いがらしさんの作品として売り出すことを、本人が認めたかどうかだ。

 いがらしさんは、B社の絵は見たことすらなかったと主張。そもそも、自作でない絵を自作品とすることを認めることはないと話す。また、スタンプとして販売された40点の絵の中には、体の線が不自然なものなど、自分では決して描かないような絵が交じっていると言う。

 一方、A社は、「いがらしさんは了解したと理解しています」(代理人の弁護士)。いがらしさん側とのやりとりで窓口となっていたX氏から、いがらしさんが承認した旨の連絡を受けていたという。事実、X氏は12年12月、B社の絵に関して、「基本的には大満足の仕上がりです」「いがらしゆみこが社長に本当にありがとうございますと伝えてくれと申しつかっております」などと、A社にメールを送っている。

 X氏は、独断で承認したのか。

「(いがらしさんの)了解を得ていた。勝手にやったことは、絶対にありません」

 X氏は、そう話す。

※AERA 2014年4月14日号より抜粋