そこから徒歩5分ほどの県浜松総合庁舎の1階にあるハローワークには、「しずおかジョブステーション」の看板とのぼりがある。ハローワークの相談員が、就職の相談やカウンセリングに応じている。

 対象者の特徴に違いはあるにしろ、若者の就労支援を目的に含む機関が、徒歩圏内に三つ存在する。「地域若者サポートステーションはままつ」と「浜松市パーソナル・サポート・センター」は、活動に重なる部分も少なくなさそうだが、連絡を取り合うことはなく、それぞれ相手の活動内容はほとんど知らないと話す。

 国が委託するサポステは現在、全国約160カ所。浜松市と同じような状況は、各地でみられる。そんななか、国がこの事業を進める意義はどれだけあるのか。

 秋のレビューでは、複数の評価者から、ハローワークの一部門として取り組むべきとの意見が出た。それに対し厚労省は、「ハローワークではサポステに来ているような人には対応できない」と、業務の特殊性を強調した。

 しかし一方で、そうした対応の難しいサポステ利用者(自らの進路についてイメージや関心をもたない人など)について、進路が決定した人数を問われると、把握していないと返答。評価者から、「本質的な成果が測れていない」との指摘が出た。

AERA 2014年4月7日号より抜粋