ICT関連事業が取り上げられたのは初日。まず、光ネットワークの研究開発が、国が税金を投入して企業を導く格好で進められてきたことについて、純粋に企業による研究では、これまでのような成果は出なかったのかと評価者から質問が出た。

 これに対し、総務省は、「民間ではできなかったと思います。市場をとれるような技術にはならなかったのではないかと思います」と返答。評価者が、私企業の活動には基本的に国が関与しなくていいのではないかと述べると、総務省はこう返した。

「民間企業が自らの努力で成功すればいい。それは、おっしゃるとおり。ただ、失われた20年と言われているこの20年間、民間企業が勝てたのかと。勝てないから、どうやったら勝てるのかと考えているのです」

 さらに、別の評価者が、民間に任せるより国が音頭をとったほうがいいとする根拠を、これまでの研究開発に関する費用対効果の統計で示すよう求めると、総務省は、「統計的な数字は、なかなか我々も評価できないと思います」と返事。それを聞き、評価者はこう指摘した。

「いくら投下してどうなったかわからないけれども、民間がやったのではうまくいかなくて、国がやればうまくいきますと言っている。それって、説明としておかしくないですか」

AERA 2014年4月7日号より抜粋