ネイチャークラフト作家でもある長野さんは焚き火の達人。「自然の中での遊びなので、使った食器は洗わず、布巾で拭くなど環境にも十分配慮したい」(撮影/今祥雄)
ネイチャークラフト作家でもある長野さんは焚き火の達人。「自然の中での遊びなので、使った食器は洗わず、布巾で拭くなど環境にも十分配慮したい」(撮影/今祥雄)
冬の焚き火料理 マッカラ(フィンランドの串焼き料理) (撮影/今祥雄)
冬の焚き火料理 マッカラ(フィンランドの串焼き料理) (撮影/今祥雄)
冬の焚き火料理 ミネストローネ(撮影/今祥雄)
冬の焚き火料理 ミネストローネ(撮影/今祥雄)

 パチパチはぜる薪の音、ゆらめく炎に気持ちが落ち着く、と焚き火にハマる人が増加中。技術や場所がないという人のために、新しいアイテムも登場している。

焚き火料理人として知られる長野修平さんは、冬の焚き火の魅力をこう語る。

「キャンプ場では、焚き火の周囲がリビングになるんです。特に冬は暖を取るために人が集まり、見知らぬ者同士でも自然と語り合える雰囲気になるのが魅力です」

 妻の深雪さんは「女性にとっては、遊びながら料理が作れる点が楽しい」と言う。

 焚火の方法として、手軽に焚き火台を使う手もある。プレス板金加工会社、昭和プレスの社長、高久笑一さんは大の焚き火好き。趣味が高じて自らオリジナルの焚き火台を開発した。それが携帯できる焚き火台「ちび火君」だ。持ち運びに便利で燃焼効率が高く、だれでも火を起こせる。

 高久さんは仕事を終えた後、一人、ちび火君を持ってキャンプ場に向かう。「一日の疲れが吹き飛びます。夜空を見上げれば満天の星空。冬ならではのとっておきの楽しみです」

 しかし、焚き火に行きたし、されど時間はなしという人もいるだろう。大丈夫、なんと部屋の中で焚き火が楽しめる道具があるのだ。それが究極のコンパクト焚き火「焚き火ろうそく」だ。薪にロウを流し込んで作ったキューブ形ろうそくを専用の焚き火台で焚くもの。薪のはぜる音も聞こえ、卓上でほっこりできる。考案したのは、ファクトリー「はんぶんこ」の代表、東海裕慎さん。

「晩酌時に使う人もいます。焚き火をつまみにお酒を飲む、粋な飲み方ではないでしょうか」

AERA  2014年3月3日号より抜粋