横浜市立南高校付属中学校班ごとに壁新聞を作る。「ボランティア新聞」を作った浅野巧人君は「人の役に立ち、やりがいを感じた」という(撮影/高井正彦)
横浜市立南高校付属中学校
班ごとに壁新聞を作る。「ボランティア新聞」を作った浅野巧人君は「人の役に立ち、やりがいを感じた」という(撮影/高井正彦)

 難関大への合格実績をあげてきている、公立中高一貫校。首都圏には現在、1都3県で19の公立中高一貫校がある。各校とも工夫を凝らして、特徴のある教育を打ち出している。安田教育研究所の安田理代表は、

「公立中高一貫校は設立までに開設準備室があり、多くの人がかかわって充実したカリキュラムや行事をつくっています」

 横浜市立南高校附属中学校(港南区)は12年に開校し、今年も志願倍率8.4倍を誇る。英語は1年を5期に分け、教科書を5回繰り返す。初回は聞くことが中心、2巡目は英語の音と文字の一致、3巡目は音読とステップアップしていく。5巡目ともなると、教科書の場面を英語で説明できるようになるという。最後には自分の感想や意見などを書き込んだオリジナルテキストを作成する。

 総合的な学習の時間「EGG(エッグ)」は、南高附属中の特色だ。EGGは、Ex plore(さがす)、Grasp(つかむ)、Grow(のびる)の頭文字。EGGゼミでは、中1で情報収集の方法などを学び、壁新聞を作って発表。中2ではグループに分かれ、ホームページ作成などに取り組む。中3では自分でテーマを見つけて論文をまとめる。EGG講座には、「JAXA宇宙開発」「横浜市大医学部体験」「富士通パソコン分解」「TBS出張スタジオ」など、近くの大学や企業と連携した22講座がある。

「本物の体験を重ねることで、学力だけでなく教養と人間性も磨かれる」(高橋正尚校長)

AERA  2014年2月24日号より抜粋