「専門性の高い、プロフェッショナルな集団。役に立たなければ辞めなきゃいけないかもしれないという不安はあるが、他社でも通用する能力を磨いてきたという自負はあります」

 証券会社やベンチャーキャピタルで経験を積み、いくつかの会社の上場や新興企業のサポートを手がけてきた男性(50)は、東北地方の学校法人にその能力を求められた。教育産業に携わるというより、その学校法人の事業拡大や起業家支援などが男性に期待されている。

「なかなかない経験をしてきた。そんな自分が、先方が求めている人材像にぴったりとはまった。必要とされ、経験が生かせるのであれば、あとは自分ががんばるだけ。自信はある」

 この2人には、地方への転職という共通点もある。35歳以上の転職では、地方企業への転職も有力な選択肢になるのだ。会員制転職サイトを運営する「ビズリーチ」の多田洋祐執行役員は指摘する。

「40、50代の転職が活性化している理由の一つに地方の優良企業が、都市部の人材を採りに来ていることがあげられます。ネット環境などのインフラが整ったため、地方企業も都市部の人材にアクセスできるようになっているのです」

AERA  2014年2月10日号より抜粋