子どもの金銭感覚を養ううえで大切な「おこづかい」。しかしその与え方や額に悩む親は少なくないようだ。

 小学1年生の長男(7)がコンビニに持っていったのは200円のはずなのに、レシートは3枚あった。金額の計算がまだできないため、おつりで安い駄菓子を買うことを繰り返し、使い切ろうとしたようだ。

 都内に住む主婦(37)は、お金の使い方を長男にどう教えればよいものか悩んでいる。幼稚園の頃から、風呂掃除、朝のカーテン開け、鉢植えの水やりなどの手伝いをするたびに、1回100円ずつ渡していた。お年玉なども合わせると、小学校に入学した頃には長男の手持ちの額は3万5千円になっていた。

 ドラえもんのイベントに友達と一緒に出かけた時のこと。グッズ販売店で財布を手に、「貸してやるよ」と友達に言い放っている長男の姿にショックを受けた。ママ友たちに聞くと、「お手伝い1回100円は高すぎない?」

 それを機に1回10円に大幅値下げ。漫画本やお菓子を自由に買えなくなった長男は不満顔だ。

「最初からたくさん与えすぎて、お金のありがたみがわからなくなってしまったのかも……」

 家庭での金融教育のきっかけは、やはりおこづかい。日本銀行内に事務局を置く金融広報中央委員会の2010年度の調査では、小学校低学年の8割がおこづかいをもらっており、「ときどき」が59%、「月1回」が13%。毎月もらっている場合の平均額は949円だが、最も多い金額帯は500~699円、次が100~199円で、家庭によって与え方も金額もさまざまなことがわかる。

※AERA 2014年2月10日号より抜粋