神戸市にある理化学研究所の実験室で毎日12時間以上過ごす。祖母からもらったかっぽう着姿で作業する (c)朝日新聞社 (撮影/諫山卓弥) @@写禁
神戸市にある理化学研究所の実験室で毎日12時間以上過ごす。祖母からもらったかっぽう着姿で作業する (c)朝日新聞社 (撮影/諫山卓弥) @@写禁

 科学界に現れた新ヒロイン、小保方晴子(おぼかたはるこ)さん。iPS細胞よりずっと簡単に作れる「STAP細胞」を開発したことで、一躍時の人となった。会見でつけていた指輪が注目を浴びるなど、可愛らしい一面が取りざたされる彼女の、素顔を探った。

 小保方さんは1983年生まれ。千葉県松戸市で3姉妹の末っ子として生まれ、育った。本人いわく「ちゃっかりした子どもだった」らしい。

「再生医療の領域に化学からアプローチしたい」とアピールし、早稲田大学理工学部が実施した初めてのAO入試に合格。学部時代はラクロスなどの部活動に励みながら、微生物について研究をした。

 早大大学院から再生医療の研究に転じた。細胞を培養した経験は、このときから。指導した東京女子医科大学の岡野光夫教授はこう評価する。

「意欲がすごく、前向きな学生だった。未知のことをこつこつとやっていく、研究者としていい資質を持っていた」

 奨学金をもらいながら、大学院を修了。英語は米国のドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」で学んで、08年に米ハーバード大学へ留学。背中に人の耳を生やしたマウスを作った、著名な再生医学研究者、チャールズ・バカンティ教授の指導のもとで実験を続けた。細胞にストレスを与えると万能化するという着想は、ここでつかんだ。

次のページ