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食物アレルギーにも配慮? ぬいぐるみが行くツアーとは

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カバと両国国技館で相撲を取るアバランチ。力士と記念撮影をしたときは、大きな手のひらに5体のぬいぐるみがおさまった(写真:ウナギトラベル提供)

カバと両国国技館で相撲を取るアバランチ。力士と記念撮影をしたときは、大きな手のひらに5体のぬいぐるみがおさまった(写真:ウナギトラベル提供)

ウナギトラベルを運営する東 園絵(あずま・そのえ)さん金融機関勤務を経て2010年、ぬいぐるみ専門の旅行代理店を立ち上げ、13年には国内外から参加者が集まった(撮影/高井正彦)

ウナギトラベルを運営する
東 園絵(あずま・そのえ)さん

金融機関勤務を経て2010年、ぬいぐるみ専門の旅行代理店を立ち上げ、13年には国内外から参加者が集まった(撮影/高井正彦)

「ちやほやされてるので、性格はオラオラ系。広島弁ですが、よろしくお願いします」

 ペンギンのぬいぐるみ、アバランチはこんな紹介文とともに東京一日観光に参加した。 ツアーはぬいぐるみの旅行代理店「ウナギトラベル」が主催。宅配便で送られてくるぬいぐるみたちが、皇居や浅草などを周遊する様子を主催者の東園絵さんが撮影する。リアルタイムでフェイスブックに更新するほか、CDに写真を収めて、ぬいぐるみとともに持ち主に送り返すサービスだ。料金は一日ツアーで2千~5千円ほど。

 アバランチの持ち主は、広島に住む自動車メーカー勤務のタカシさん(31)。

「明治神宮でアバランチが参拝している写真と『家族の健康を祈願しています』というコメントがフェイスブックにアップされたのですが、自分も同じことをしていたと思う。気持ちを汲んでもらってうれしかった」

 ぬいぐるみツアーとはいえ、名所をバックにただ記念撮影するだけではない。東さんが、事前に送られてくる参加者、すなわちぬいぐるみの性格、趣味、食べ物のアレルギー(!)などの情報をもとに、想像力をふくらませ、旅を演出するのだ。

 タカシさんが申し込んだ理由は、生後3カ月の息子の世話で外出もままならない妻へのサプライズだ。

「出産に立ち会ったときは、妻への尊敬と感謝で涙が出ました。でも男って無力。おっぱいは出ないし、抱いても泣きやまない」

 そこで妻がかわいがっていたアバランチにかわりに旅してもらった。アバランチはタカシさん夫婦が新婚旅行先のハワイの水族館で見初めた。それから妻はドライブも食事も寝るときも、アバランチと一緒だった。妻があとで教えてくれた。

「自分の時間がとれなくて、もやもやするときもあったけど、アバランチの旅が発散になった。何より気持ちがうれしかったよ」

 東さんがぬいぐるみツアーを考えたきっかけは、6年前に始めたブログだった。大好物のウナギを、タオルを巻いて作り、温泉旅行に連れていき写真を載せたら、ブログの読者とコミュニケーションが広がった。「誰もやっていないサービスを提供したい」と起業。メディアで紹介され、国内外からぬいぐるみが郵送されてくるようになった。

「病気などで旅ができない人が、ぬいぐるみを通じて旅気分を味わいたいという需要はあると思っていました。ところが予想外の動機や結果に驚いています」

AERA 2014年1月20日号より抜粋


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