加地倫三テレビ朝日1969年神奈川県出身、1992年入局▼子どもの頃好きだった番組超のつくテレビっ子だったので……8時だョ!全員集合/オレたちひょうきん族/THE MANZAI/夕やけニャンニャン/とんねるずのみなさんのおかげです/われら青春!などの青春ドラマ▼よく見る他局の番組毎回必ず見ているものはないがIPPONグランプリ(フジテレビ)世界の果てまでイッテQ!(日本テレビ)プロフェッショナル 仕事の流儀(NHK)▼入局以来、関わった番組ワールドプロレスリング/リングの魂/ナイナイナ/ロンドンハーツ/アメトーーク!他▼自分史上最強のボツ企画「ロンドンハーツ」のザ・トライアングルの女性版(素人)で二股実験をした時、何日も密着で隠し撮りして、二股が発覚してお仕置きまでいったのに、放送前になってその女性から放送しないでほしいと連絡がありました。時間もお金もかかったし、女性はもうやめようと思いましたね。▼好きな映画アイ・アム・サム▼好きな本三谷幸喜のエッセイ▼好きな音楽桑田佳祐、JUN SKY WALKER(S)<一番忙しい時期のタイムスケジュール>10:00 オフライン編集21:00 収録打ち合わせ、ロケ弁当で夕食をとる22:00 収録本番28:00 編集(撮影/高井正彦)
加地倫三
テレビ朝日
1969年神奈川県出身、1992年入局

▼子どもの頃好きだった番組
超のつくテレビっ子だったので……
8時だョ!全員集合/オレたちひょうきん族/THE MANZAI/夕やけニャンニャン/とんねるずのみなさんのおかげです/われら青春!などの青春ドラマ
▼よく見る他局の番組
毎回必ず見ているものはないが
IPPONグランプリ(フジテレビ)
世界の果てまでイッテQ!(日本テレビ)
プロフェッショナル 仕事の流儀(NHK)
▼入局以来、関わった番組
ワールドプロレスリング/リングの魂/ナイナイナ/ロンドンハーツ/アメトーーク!他
▼自分史上最強のボツ企画
「ロンドンハーツ」のザ・トライアングルの女性版(素人)で二股実験をした時、何日も密着で隠し撮りして、二股が発覚してお仕置きまでいったのに、放送前になってその女性から放送しないでほしいと連絡がありました。
時間もお金もかかったし、女性はもうやめようと思いましたね。
▼好きな映画
アイ・アム・サム
▼好きな本
三谷幸喜のエッセイ
▼好きな音楽
桑田佳祐、JUN SKY WALKER(S)

<一番忙しい時期のタイムスケジュール>
10:00 オフライン編集
21:00 収録打ち合わせ、ロケ弁当で夕食をとる
22:00 収録本番
28:00 編集(撮影/高井正彦)

 面白い番組の背景には、テレビマンたちの存在が欠かせない。彼らはムリを超え、時に緻密なまでの努力で番組を作り上げる。

 バラエティー番組で昨年、見事な「スクープ」を飛ばしたのは、テレビ朝日の加地倫三(44)だ。演出・プロデュースを担当する「ロンドンハーツ」の9月の生放送で、お笑いコンビ「ロンドンブーツ1号2号」の田村淳が、元モデル女性との結婚を宣言したのだ。

 淳から結婚の可能性を打ち明けられたのは、12年暮れのこと。そこから演出プランを練り始めたが、最も気を使ったのは情報漏れだった。かかわるスタッフを5人ほどにとどめ、結婚相手の両親に至るまで情報を漏らさないという「誓約書」を書いてもらった。

 今のテレビ番組は、バラエティーに限らず、情報を小出しにして視聴者をあおり、引きつける手法が一般的。その方が視聴率をとれることは分かっているが、あえて"原点"にこだわる。

「テレビマンの原点は、視聴者をビックリさせること。原点に戻った仕事ができました」

「アメトーーク!」の演出・プロデュースも担当している。お笑いコンビ「雨上がり決死隊」の司会で、ひな壇に座った芸人たちが様々なテーマについて熱く語る番組だが、そこでテレビ界の常識を破ってきた。

 アニメ、マンガは今でこそ番組の得意ネタ。しかし、06年に「ガンダム芸人」を放送したときは、そんなマニアックなテーマで1時間の放送は非常識だった。ほかにもプロレスラーの中で知る人ぞ知る越中詩郎だけにスポットをあてた「越中詩郎芸人」や「油揚げ芸人」などの企画に挑み、話題を呼んだ。

 ムリな企画を番組として成立させる裏には、緻密な演出と創意工夫がある。「アメトーーク!」で使うカメラは、バラエティー番組としては異例に多い9~12台。芸人の発言やリアクションを撮り逃さないためだ。

「スタッフや出演者だけがおもしろがっているマスターベーションのような番組ではいけない。いつも視聴者の目線を持とうと心がけています」

 昨年は、日頃から「ひな壇には座らない」と公言している「キングコング」の西野亮廣を引っ張り出した。それも「好感度低い芸人」という企画にだ。

 ふつうに出演を申し込んでも断られる。悩んでいた時、西野のトークライブにサプライズで出演することに。舞台上で企画名を言って出演を頼んでみた。西野は爆笑し、快諾した。

「彼のポリシーもすごくわかるのですが、年に1回くらいは出てほしいから、何か言い訳をつくってあげたいと思っていた」

 ムリ超えの奥に、芸人への愛情を潜ませている。(文中敬称略)

AERA 2014年1月13日号秋元康特別編集長号より抜粋