客観的な就活研究本として利用できる『就活四季報』。1886円+税/東洋経済新報社
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 2015年3月卒業予定の大学3年生の就職活動が始まったが、一方で採用した若者をひたすら酷使し使い捨てる「ブラック企業」が社会問題化している。

 そもそも「ブラック企業」とは何か。若者の労働問題に取り組むNPO「POSSE(ポッセ)」代表で、著書『ブラック企業――日本を食いつぶす妖怪』で第13回大佛次郎論壇賞を受賞した今野晴貴(こんのはるき)さんは、次のように定義した。

「新興産業において、若者を大量に採用し、過重労働・違法労働によって使い潰し、次々と離職に追い込む成長大企業」

 では、入社前にブラック企業を見抜くにはどうすればいいか。法政大学大学院キャリアデザイン学研究科の上西充子教授は、次のようにアドバイスする。

「大切なのは、客観的にデータを見ていくことです」

 就職情報サイトは、企業がスポンサーのため、会社が「見せたい」情報しか載っていない。会社説明会では、会社は巧妙に自社のいい面だけを印象付けようとするので、ブラック企業かどうか見破るのは困難。また、人材ビジネスの専門家は、自分自身の感性を頼りに会社の良し悪しを決めるようアドバイスしがちだという。

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