沖野被告が尼崎市内に飲食店を出したのは「尼っ子」で3軒目とみられる。メイド姿の少女がいたとの証言もある(撮影/編集部・宮下直之)
沖野被告が尼崎市内に飲食店を出したのは「尼っ子」で3軒目とみられる。メイド姿の少女がいたとの証言もある(撮影/編集部・宮下直之)

 兵庫県尼崎市で起きた中学3年の男子生徒への性的虐待事件で、事件を主導したとされる沖野被告と少年少女らとの異様な生活が明らかになってきた。少年少女たちは他人の沖野玉枝被告(43)を「ママさん」と呼び、家族のような共同生活を送っていた。

 近所に住む女性は子どもたちが、マンションの階段に座ってコンビニ弁当を食べている姿などを見たことがあるといい、次のように話す。

「ネグレクト(育児放棄)かもしれないと思って、積極的に話しかけるようにはしていたんですけど…。学校にも行っていなかったみたいだし。以前、『どこ行くの?』と声を掛けたことがあったのですが、『仕事やねん』といい、母の店を手伝っていると言っていました」

 娘だけではない。沖野被告は、自身が経営するカラオケスナック「尼っ子」で、同居していた少女たちも働かせていた疑いがもたれている。何度か飲みに行ったことがあるという男性によれば、店では化粧っ気もないあどけない女の子が接客していたという。

「女の子が4人おったけど、みんな10代から20代やろうなぁ。ミニスカートやノースリーブ姿で、中には中学生に見える子もいたわ」

スナックを経営する沖野被告は、生活にかなり余裕があったようで、その“豪遊ぶり”は、地元タクシー運転手の間で噂になっていた。

「週に3、4回、自宅にタクシーを回してくれ、という電話があった。無線で全部聞こえるんで、『あ、またあの家か』って。歩いても行けるような距離なのに、子どもら3、4人と一緒にタクシーでスナックに通っていたようですわ」(タクシー運転手)

 その羽振りのよさは、“副収入”ゆえだったのかもしれない。その後の警察の調べに対し、逮捕された少女の一人が「被告から言われ、売春した」という供述を始めているという。 捜査関係者が言う。

「沖野被告の店は若い子がそろっていると人気だった。値段は1回2万~3万円。他にも裸の写真を撮らせたり、5千円で体を触らせたりしていたようだ」

 兵庫県警少年育成課は、沖野被告がカラオケスナックで少年や少女を働かせていた疑いがあるとみているほか、売春あっせん容疑についても捜査を進めている。

AERA  2013年12月23日号より抜粋