徳洲会事件 発端は組織の“汚れ仕事”担った金庫番

AERA
 公職選挙法違反や横領などで世間を賑わしている徳洲会事件。特捜部などが11月に徳田虎雄前理事長(75)の娘2人を含むグループ幹部6人を逮捕したのを皮切りに、警視庁が12月3日、元専務理事兼事務総長の能宗(のうそう)克行容疑者(57)を、グループ関連会社から3千万円を横領したとして業務上横領の疑いで逮捕。その翌日、特捜部は、次女・スターン美千代容疑者(46)らを公選法違反容疑で再逮捕すると同時に、懸案であった虎雄氏の妻・秀子容疑者(75)の逮捕にも踏み切った。

 よくある話だが、これらの事件が表面化したのは、ドロドロの内部抗争からだった。長らく虎雄氏の最側近として政界工作をはじめとする“汚れ仕事”を一手に担ってきた能宗容疑者は、徳洲会の元「金庫番」として、カネの流れのすべてを知り尽くす存在だ。ところが、10年ほど前に虎雄氏が難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患って以降、病院経営への関与を強める徳田ファミリーと対立。昨年9月に事務総長職を解かれ、今年2月に懲戒解雇となりグループから追放された。

「抗争に敗れた能宗氏は、一矢報いることを考えます。事務総長として経営や実務を取り仕切ってきた内部資料を、ごっそり検察に持ち込んだのです。そして事件化したのが、虎雄氏の次男・毅衆院議員(42)が3選を果たした昨年12月の衆院選をめぐるカネの問題でした。猪瀬直樹・東京都知事に現金5千万円を渡した問題が明るみに出たのも、ここが発端。しかし同時に、ネタ元である能宗氏も逮捕してしまうあたり、検察はやはり冷酷ですね」(司法記者)

 選挙違反事件と横領事件。この同時並行する二つの事件は、いわば“ケンカ両成敗”なのだ。

 徳田ファミリーが能宗容疑者に対して抱いた疑惑は、億単位の使途不明金の着服や、暴力団との交際などだった。帳簿や契約書類を徹底的に洗った結果、虎雄氏を失脚させ、グループ乗っ取りまで画策していた形跡があったという。

「能宗氏の解雇は、ファミリーたちがそこまで気が付いて決断した。これによって最悪の事態は免れた」(徳洲会関係者)

AERA 2013年12月16日号より抜粋

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