着々と近づいている受験シーズン。近年の受験生が取り入れているのが、スマホを活用した勉強法だ。

 通学時間や授業の合間など、スキマ時間に使えるのが、iPhoneやアンドロイドなどのスマホ向けアプリだ。暗記ものは短い時間でも取り組みやすく、何度も繰り返して頭に叩き込む必要があるため、世界史や日本史といった歴史科目や英単語・英熟語などには特に有効だ。

 大手予備校河合塾も今年、英単語と地理の学習アプリをリリースした。開発前には約300人の塾生にモニター調査を行ったというアプリは半年で約1万のダウンロードがあった。今後も世界史用語集、古文単語、数学などのラインアップを予定している。

 アプリは科目ごとにさまざまあるほか、「南山大学英語リスニングテストにチャレンジ!」(無料)のように、大学が独自にリリースしているものも。志望校が出している場合は、これを見逃す手はない。

 注意点がひとつ。無料や数百円と安い値段で利用できるものが多いが、クオリティーもさまざま。間違いだらけのアプリを使って時間を無駄にしたのでは元も子もない。選ぶ際はレビューなどを見て吟味したい。

 受験勉強にくじけそうになったとき、モチベーションアップの一助となってくれるのが、ソーシャル機能を持つサービスだ。現役大学生などがボランティアで講師を務め、現在5千以上の講義が無料で公開されている「manavee」では、授業内容について先生や仲間に質問できるタイムライン機能や、悩み相談ができる特設サイトが用意されている。

「受験における経済的、地理的な格差を是正したい」という思いで始められたこのサービスは、営利活動はしていない。熱い志を持つ大学生という身近な存在を見て、励まされたり、進学する意味や受験勉強の意味を見いだすことができるかもしれない。

AERA 2013年11月18日号より抜粋