京都府以外で作っても「九条ねぎ」 そのカラクリ

AERA#食#食の安全
 続々と発覚したホテルなどでの食品偽装。専門家によると、調理された食材の真贋を見分けるのは難しいため、偽装が横行している現実があるようだ。料理評論家の友里征耶さんは、食材偽装はホテルや百貨店にとどまらず、多くの料理店で行われていると指摘する。

「いったん調理すると、食材の産地がはっきりわかる人はほとんどいない。店側もそうですし、私だって自信はない。だからこそ偽装が横行しているのです」

 専門家にわからないものが、消費者にわかるはずはない。しかし、少しでもだまされないよう、食材の知識を身につけるに越したことはない。とりわけ、ふだん食べ慣れない高級食材の真実を知ることは、モラルハザード社会を生き抜く「武器」となるだろう。

 大阪新阪急ホテルでは「若鶏の照り焼き 九条ねぎのロティと共に」に、ふつうのネギを使っていた。「九条ねぎ」はその名の通り、京野菜の一種だが、大阪市内で九条ねぎ料理専門店「葱八」を経営する梅川福寿社長はこう語る。

「今年は桂川を氾濫させた台風18号による大雨で被害を受け、思うように仕入れができず、10月30日までは九条ねぎが提供できなかったんです」

 そんな希少なネギが、ふつうにスーパーマーケットで売られているのはなぜか。実は、九条ねぎには2種類あるのだ。ある業者は言う。

「九条ねぎには、九条ねぎの種を使って京都府内で作られた九条ねぎと、同じ種を使って京都以外の地域で作られた九条ねぎがある。後者は前者よりも安くなります」

 京都で作られた九条ねぎは味が濃く、ねっとりとした食感がある。同じ「九条ねぎ」でも違いがあることを知っておく必要がある。もっとも、大阪新阪急ホテルは、その安い九条ねぎすら使っていなかったのだが。
AERA  2013年11月18日号より抜粋

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