ドラマ「半沢直樹」からプンプン漂っていた、銀行員の昭和の匂い。実際の銀行員たちに話を聞くと、ドラマの世界と現実では近いものもあるようだ。

「同僚の前で『なぜ数字が上がらない?』と問い詰められ、立たされる支店もある。パワハラは日常茶飯事なので誰も何も言いません」(メガ・総合職・34歳女性)

「合理性より前例重視。お客様のために作ったルールのはずなのに融通が利かず、お客様が置き去りにされている」(メガ・総合職・28歳男性)

 昔ほどではないが、銀行員は早婚傾向だ。その理由も驚くほど古典的。「家族ができると不正行為への抑止力が働くから」「年配の顧客を理解するため、人生経験を積む必要があるから」と言われている。

 銀行員としての事実上の定年は50歳前後のため、子どもの教育費がかかる時期を早めたい事情もある。「縁談」は死語になっておらず、取引先から見合い話がくる。

AERA 2013年11月4日号より抜粋