東京大学大学院農学生命科学研究科数多くの研究室があり、最先端の研究を行っている。写真は生物機能開発科学研究室の様子。給餌などで変化をつけたマウスの血液を採取し、血糖値を測定する(撮影/村上宗一郎)
東京大学大学院
農学生命科学研究科

数多くの研究室があり、最先端の研究を行っている。写真は生物機能開発科学研究室の様子。給餌などで変化をつけたマウスの血液を採取し、血糖値を測定する(撮影/村上宗一郎)
カエルの卵を使って、味覚関連分子の応答を観察しているところ(撮影/村上宗一郎)
カエルの卵を使って、味覚関連分子の応答を観察しているところ(撮影/村上宗一郎)

 文科省の調査によると、ここ数年農学部の志願者数が増加している。農学部だけでなく、最近では「バイオ」「生命」などを冠に改名したり、「資源」「環境」を学部名に謳う大学もあり、農学系学部を総括するとさらに増える。

 学科によって難易度に差があり、高いのは獣医学と管理栄養士を育てる食品系など。『大学ランキング2014年版』(朝日新聞出版)の入試難易度ランキングによると、国立の偏差値トップは東京大学の理科二の73。続いて京都大学農学部の70。管理栄養士を養成するお茶の水女子大生活科学部も66と相当に高い。

 全国農学系学部長会議の古谷研会長(東京大学農学部長)は、志願者の増加について次のように話す。

「社会的にも食や健康、長寿、地球温暖化など農学系の学問領域への関心が高まっている。持続可能な生物の再生資源など新分野も開拓されており、学生は従来のイメージではなく、新しい学問として選択しているようだ」

 女子学生が多いのも特徴だ。東大でも全学部の女子比率18%に対し、農学部は28%と大きく上回る。同学部男女共同参画推進企画室の武内ゆかり准教授はこの傾向をこう分析する。

「女性は現実的で、身近な生活の役にたつ学問を好む傾向があるからではないでしょうか」

AERA  2013年10月28日号より抜粋