鎌倉武家屋敷がならぶ一方、洒脱な西欧風建築も目立つ鎌倉。「和」と「洋」が独特の形で併存している数少ない街の一つだ(撮影/門間新弥)
鎌倉
武家屋敷がならぶ一方、洒脱な西欧風建築も目立つ鎌倉。「和」と「洋」が独特の形で併存している数少ない街の一つだ(撮影/門間新弥)

 住む場所を選ぶときに、利便性などの条件とともに注目したいのが緊急時の安全性。意外に見過ごされがちだが、救急車がどれくらいの時間で来られるかといったことは、万一のときのために知っておきたいところ。そこで東京とその近県の街で、救急車の出動から現場到着までの時間がどのくらいかかるのかを調べてみた。

 救急車は神奈川県鎌倉市由比ガ浜の2分が最も早く、続いて同じく鎌倉市の御成町の3.3分となっている。到着が遅いのは、二子玉川に近い東京都世田谷区宇奈根の11.9分、世田谷区鎌田の10.7分だ。

 では、どれぐらいの時間内に救急車が到着しないと、生命の危険が生じるのか。『日本の医療 崩壊を招いた構造と再生への提言』の著書がある東京大学医科学研究所の上(かみ)昌広特任教授(医療ガバナンス論)は言う。

「119番通報している時間もあるはずなので、5分程度で到着するのが理想的です。長く見積もっても7分です」

 だとしたら、現状では鎌倉を除くほとんどの地区が「不合格」となってしまう。上教授は話す。

「あくまで目安。近年はAED(自動体外式除細動器)も普及し、医療従事者以外でも緊急時に救命措置ができる人が増えてきた。それでも、早いにこしたことはないのですが」

AERA 2013年10月28日号より抜粋