サンマルクカフェ(撮影/高井正彦)
サンマルクカフェ(撮影/高井正彦)
チョコクロ(170円)と、ブレンド(Mサイズ250円) (撮影/高井正彦)
チョコクロ(170円)と、ブレンド(Mサイズ250円) (撮影/高井正彦)
一部店舗で試験投入中のプリンアラモード(590円)。甘いフードはほかにも多数。デザート推しは業界屈指で、20~50代女性というメーンターゲットをとらえる(撮影/高井正彦)
一部店舗で試験投入中のプリンアラモード(590円)。甘いフードはほかにも多数。デザート推しは業界屈指で、20~50代女性というメーンターゲットをとらえる(撮影/高井正彦)

 首都圏で特に女性に人気の喫茶チェーン「サンマルクカフェ」。実は「岡山発」なのだが、首都圏で健闘している背景には、岡山県の位置が関係しているようだ。

 全国320店舗(13年3月時点)はコメダ珈琲に次いで業界5位。看板メニューは、チョコ入りクロワッサン「チョコクロ」。が、ほかに吉備団子をあしらったフードなどはないし、わかりやすい岡山らしさがあるかというと、ない。彼らの「らしさ」は、初出店から14年でこれだけの出店を達成した「上昇志向」にある。

 執行役員の三宅洋二郎さんはこう話す。

「岡山は東の大阪、西の広島に挟まれている。初めから外に出て行かざるを得なかった」

「どうせ出るなら、初めからてっぺんを狙おう」と考え、1号店を東京・銀座に出した。

「業界1位のドトールさんの店舗そばに出店したんです」

巨人”の懐でインファイトを仕掛け、一歩も引かなかった。店内で焼き上げるベーカリーはドトールにはなく、新鮮味をもって受け入れられた。以来、関東圏のモールや路面店を中心に出店を重ねてきた。東京には100店舗超が集中する。

 サンマルクの稼ぎ時は「14時から17時」。おやつの時間を制するため、一部店舗で強力な新メニューを投入する。「プリンアラモード」を頼んだら、そのボリューム感に後ずさり。トップにまるごとプリン。デカ盛りとまでは言えないが、ここまで重量級のデザートを出す喫茶チェーンはほかになかろう。

 同店は、今後は年に30から40店のペースで出店を続け、1千店舗を目指すという。トップ狙いの意思表示でもある。

AERA 2013年7月15日号