スマイルランド渋谷パルコパート3店のカリスマ店員。「お客様のご要望やお悩みを私もよく理解できますし、初めてお店で服を買うという方もいらっしゃいますから丁寧な接客を心がけています」(田島夕規子さん・右) (撮影/今村拓馬)
スマイルランド渋谷パルコパート3店のカリスマ店員。「お客様のご要望やお悩みを私もよく理解できますし、初めてお店で服を買うという方もいらっしゃいますから丁寧な接客を心がけています」(田島夕規子さん・右) (撮影/今村拓馬)

 じわじわと活性化していた「おしゃれぽっちゃり市場」が最近、盛り上がっている。市場に風穴をあけた企業のひとつが、通販会社のニッセンだ。

「サイズでお困りの方」に向けて2002年秋、16ページの小冊子カタログを出したところ、想定以上の大反響。それまでメンズ用スポーツ服などを仕方なく着ていた顧客から、「ありがとう」の声が続々と届いた。現在「スマイルランド」の名称で親しまれている大きいサイズブランド誕生のきっかけになった。

「こんなに喜んでいただけるなら、もっとしっかり取り組んでご提案しなければ、と使命感にも似た思いで商品開発してきました。実際『外に出るのも嫌だったけれど、スマイルランドが私を楽しくしてくれた』といった声をいただくとうれしい」(スタイルスマイル本部本部長・羽渕淳さん)

 大きいサイズはパターンが異なるため、作ってくれる縫製工場が少ない。利用者のグループインタビューなどでリアルな要望を吸い上げ、自社で探り探り開発してきた。10Lという日本人にはほとんどいない大きさまで、カジュアル服から下着までそろえる。ウェブサイトでコーディネートを提案し、顧客の悩みや気持ちがわかるカリスマぽっちゃり店員が接客するリアル店舗もつくった。ニッセンは「本気」だ。

「(ぽっちゃり体形の人が)たとえ1%しかいなくても、全国で考えれば十分ビジネスになります。ここは通販会社ならではの強みかもしれません。実際スマイルランドは弊社のレディースアパレルの売り上げの2割にもなります」(羽渕さん)

 今ではノウハウもたまり、通販の大きいサイズ市場では、ニッセンが一人勝ちだ。

AERA  2013年7月1日号