東京大学工学部計数工学科4年高木翔平さん(22)「僕の研究室にいる学生の数を、女子学生の数で割り算すると、『解なし』。あるいは無限大に発散すると言ってもいいかもしれません」。つまり、女子がゼロということ(撮影/今祥雄)
東京大学工学部計数工学科4年
高木翔平さん(22)「僕の研究室にいる学生の数を、女子学生の数で割り算すると、『解なし』。あるいは無限大に発散すると言ってもいいかもしれません」。つまり、女子がゼロということ(撮影/今祥雄)

 超難関を突破して有名大学に入った、将来有望な理系男子たち。見た目にも気を遣っていて、それこそ女性にモテそう…だが実際には恋愛経験は少ない、イケメンならぬ「リケメン」が多いという。彼らが恋愛を不得手とする一因に、まじめすぎる性格があるようだ。

 多くのリケメンたちは、女性関係について極めてまじめだ。多くの女性と恋愛遍歴を重ねるより、一人の女性とじっくり向き合いたい、と「彼女いない歴20年」という東京理科大学の男子学生は言う。

「自分の性的欲求を満たすために女性を利用したくない。『チャラ男』になるくらいなら、結婚するまで童貞でいいです。風俗なんてもってのほかです」

 有名大学の名前に寄ってくる女子大生と合コンして、あわよくば「お持ち帰り」してしまおうとたくらむのがチャラ男クン。しかしリケメンたちはそんなことはしない。東大工学系の公式親睦団体「丁友会」調査でも、理系男子のこれまでの交際人数は「3人以下」が大多数。3分の2は合コンに行ったことのない「合コン童貞」だと判明した。

「合コンは行きたいけれどコネがない。男友達にセッティングして、と頼んだけれどうまくいかなくて…」と言うのは、私立中高一貫男子校出身で電気通信大学2年の男子学生(20)。

「女の子に積極的にメアドを聞いたり、小学校時代の女友達に声をかけたり、これからはネットで出会いを求めたりしようかな、と頑張ってはいるのですが、どうしたらいいでしょうかね(笑)。彼女をゲットするためのお金や時間も趣味に消えてしまうし」

 と言う。そうこうしているうちに、

「もう、彼女なんていなくてもいいかな、という心境になりかけてしまいます(笑)」

 と言うのは、東大工学部計数工学科4年の高木翔平さん(22)。放送研究会に所属してイベントの司会をこなし、バンドを組み、合唱が趣味でピアノ伴奏もし、さらにギターの弾き語りもする──という、モテ要素満載のリケメンなのに、高校、大学時代を通じて一人も彼女がいたことがない。

「恋愛経験のない理系男子たちは、人生の『幸せ関数』に恋愛という変数を入れないようにしてしまっているのではないでしょうか」(高木さん)

AERA 2013年6月17日号