午後2~7時のいわゆる学童としての利用以外に、4~7時の英語プログラムのみの参加もありだ。iPadを多用。子どもたちはアイデアを自由に表現し、プレゼンする(撮影/篠塚ようこ)
午後2~7時のいわゆる学童としての利用以外に、4~7時の英語プログラムのみの参加もありだ。iPadを多用。子どもたちはアイデアを自由に表現し、プレゼンする(撮影/篠塚ようこ)
(撮影/篠塚ようこ)
(撮影/篠塚ようこ)

 グローバル時代の到来。その波は学童保育の場にまで波及しているようだ。

 共働きの親の子どもたちが放課後を過ごす学童保育。4月にオープンした民間学童「東京インターナショナルスクール中目黒アフタースクール」が売りにするのは「グローバルスキルを学ぶカリキュラム」だ。商社として初めて学童事業に参入した住友商事が、東京インターナショナルスクールのグループ企業に半額出資。「英語で学ぶ探求学習」を前面に打ち出す。

 現在通うのは1年生から3年生までの約30人。他の英会話教室や英語学童との違いは、週3日以上の通学が条件になっている点だ。確実な英語力をつけるため、2千時間の英語漬けが必要という考えからで、週5日通えば、約3年で会話と読み書きが不自由ないレベルになるという。

 学校の宿題を済ませた子どもたちは、ネイティブの講師と工作をしたり、iPadの知育アプリで遊んだり。全員が揃う4時からはヨガやストレッチ、身近なテーマでのディスカッション、英語強化のプログラムに取り組む。6時からはいよいよ英語で学ぶ探求学習。曜日ごとに食べ物、音楽、アート、私たちの世界、仕事という五つのテーマが設定されている。

 この探求学習のベースになっているのは、国際バカロレア(IB)の考え方。IBは、ハーバードやオックスフォードなど世界の有力大学が採用していることで知られる国際的な大学入学資格。国際バカロレア機構(本部ジュネーブ)が認定する学校で所定の教育課程を修了することが条件で、異文化理解や自主的な学びを基本理念とし、教科の枠を超え多角的に探求していく学習スタイルが特徴だ。グローバル人材の育成を目的に、昨年、文部科学省は日本での認定校をインターナショナルスクール中心の24校から、5年間で全国200校に増やす方針を打ち出し、注目を集めている。

AERA 2013年6月3日号