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日本の外食・流通ではブラジル鶏が人気 その理由は

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東急百貨店渋谷駅・東横店では1999年から、地下食品売り場の全ての食材や加工品の産地を表示。「中国産だから、何から何まで悪いとは思わないが、お客様はシビア。一旦マイナスイメージがつくと、拒否反応は大きい」(広報担当者) (撮影/写真部・東川哲也)

東急百貨店渋谷駅・東横店では1999年から、地下食品売り場の全ての食材や加工品の産地を表示。「中国産だから、何から何まで悪いとは思わないが、お客様はシビア。一旦マイナスイメージがつくと、拒否反応は大きい」(広報担当者) (撮影/写真部・東川哲也)

 一時は食品業界を中心に騒然とさせるも、一段落した感がある鳥インフルエンザ騒動。しかしこれを機に、輸入食品に対する危機感を抱いた人もいるのではないだろうか。加工食品は原産地表示義務を免除されているものが多く、消費者の不安をあおる結果にもなっている。

 AERAは鳥インフルエンザで注目を集めた輸入鶏肉(以降、調製品含む)に絞って、外食・流通業者に安全性確保の取り組みについてアンケートし、37社から回答を得た。「国産鶏しか使用していないし、社内で輸入鶏肉を扱う選択肢が上がったこともない。我々は『なんておいしいんだ』と驚くお客さんの顔が見たいんです」(鳥貴族)という社もあるが、全体の9割以上の35社が輸入鶏肉をメニューに使っていた。

 主な輸入国は、35社中28社がブラジル、8社がタイ。中国をあげたのは日本マクドナルドや「モスバーガー」のモスフードサービス、ローソンといったファストフード系の業者など4社だった。

 ブラジル産の人気は、安全性に対する信頼の高さによるところが大きい。世界有数の鶏産国であるブラジルは日本以外にもEUや中東と取引があり、それぞれの国に適合した厳しい出荷条件をクリアしているという。

「日本基準に加えてEU基準も満たすようにしているので安全性は高いと認識している」(すかいらーく)

 中国産やタイ産の場合、農水省が指定した加熱処理施設で処理された鶏肉加工品のみ輸入できる。指定施設は2~3年に一度を目安に農水省が視察する。輸入時には同省動物検疫所が品目や数量、衛生面を確認し、さらに商品を切ったり、冷凍品は解凍して中まで加熱されているかをチェックしたりする。

 その後、加工品も生肉も一定割合で厚生労働省による「モニタリング検査」を受け、抗菌性物質(いわゆる抗生物質)や農薬が食肉内に残っていないかが確認される。ちなみに中国産の場合、輸出時に中国の国家質量監督検験検疫総局(AQSIQ)が日本基準に沿った残留抗生物質の検査もしているという。こういった制度を信頼していると回答した社もある。

 ただ、日本基準にしてもチェックする残留抗菌性物質や農薬の項目数は限られ、例えば中国の環境悪化で懸念されている重金属汚染などに対する検査はなされていない。そもそも厚労省のモニタリング検査は平均して全体の1割程度という点を考えると、各社が輸入商社や加工メーカーと協力するなどして行う独自の取り組みもそれなりに重要性がある。

AERA 2013年5月20日号


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