もはや日本でも根強いファン層を獲得した「韓流」。その大きなブームは去ったように思えるが、実はここにきてハマる女性が増えているという。

 主婦の智子さん(42)はこれまで、ヨン様ブームが盛り上がろうがグンちゃん旋風が吹き荒れようが、韓流ドラマにハマることはなかった。韓ドラで盛り上がる知り合いの年配女性たちの姿を横目で見ながら、「オバさんたち、好きだよね」とドン引きだった。そんな自分に、まさか韓流にハマる日がやってこようとは!

 昨年6月、たまたまテレビでドラマ「最高の愛~恋はドゥグンドゥグン~」を見かけた。チャ・スンウォン演じる自己愛MAX俺様キャラ全開のスーパースター、トッコ・ジンに目が釘付けに。濃いルックスと濃いキャラはまさに好み。俺様なのに好きになったら一直線の素直さにも惹かれた。

 最初は家族に韓ドラにハマったことをひた隠し、知人に借りた「最高の愛」のDVDは、夫の出張時を狙ってパソコンにイヤホンを差して夜こっそり楽しんだ。気づけば明け方4時もざら。暇さえあれば何度も繰り返し見た。

 別の思わぬ変化もあった。

「このドラマで『大人でも好きって言っていいじゃない』って素直に思えた。私自身恥ずかしがり屋なので、夫婦でデートしても自分から手をつなぐことはなかったんですが、素直にできるようになりました。いまでは夫にもカミングアウトし、『韓流ドラマ見てよかったでしょ?』と言ってます(笑)」

 団体職員の久美さん(33)は韓流セカンドバージンだ。もともとK‒POPの「神話」が好きだったが、日本に進出するK‒POPグループの乱立で一時期離れてしまった。だが昨年、「INFINITE」が歌う90年代風のダンス曲に惹かれて復活。「JYJ」のジェジュン愛も再燃した。

「コンサートは日韓のどこでも行きます。チケットは韓国のほうが取りやすい。ジェジュンはそろそろ兵役だろうから行けるうちにと思って」

AERA 2013年4月22日号