コンビニのATMでは、提携している地方銀行の口座から預金引き出しや、振込ができる。ただし、手数料がかかる場合がほとんど。数百円の手数料でも、積もり積もれば……(撮影/写真部・久保木園子)
コンビニのATMでは、提携している地方銀行の口座から預金引き出しや、振込ができる。ただし、手数料がかかる場合がほとんど。数百円の手数料でも、積もり積もれば……(撮影/写真部・久保木園子)

 もうすぐ桜の咲く頃。慣れ親しんだ土地を離れて新天地での仕事に挑む人、環境を変えようと引っ越す人…。心機一転できる良い季節。

 そこで、気持ちとともに考え直したいのが、お金との付き合い方。ある銀行の一つの口座に預金も振り込みも全てまとめていたら、異動先には近くに支店や使用できるATMがなかった…というのは、よくある話だ。

 メガバンクだからといって日本全国で使い勝手がいいわけではない。同じように、地方の銀行だからといって大都市で使い勝手が悪いとも言い切れない。実は、知られざる魅力のある口座も多いのだ。

 横浜銀行は、女性向けの住宅ローンを展開している。女性が住宅ローンを組むと、宿泊やレジャー、育児や介護などのサービスを優待価格で受けられる。

 子どものいる人には金利上乗せの定期預金もお薦めだ。肥後銀行(本)、東日本銀行(東京)、愛媛銀行、北日本銀行(岩手)は子どもの数などに応じて金利を上乗せしている。

 宝くじや懸賞付きの定期預金も面白い。有名なのは、スルガ銀行だ。100万円の定期預金で年間10枚の宝くじがもらえるものだが、届く宝くじは、全て高額当選者続出で有名な東京の西銀座チャンスセンターで購入し、福徳の神が祭られている静岡県三島市の三嶋大社に当選祈願してくれる。今までに、11人の億万長者がスルガ銀行の定期預金者から誕生している。

 琉球銀行(沖縄)の「プロ野球応援定期預金」は、県内で春季キャンプをする9球団のなかから一球団を選んで応援。その選んだ球団の成績に応じて懸賞金が出る。

 関西の地銀の商品は、特にユニーク。池田泉州銀行(大阪)は、大阪府の桜の開花日を予想する定期預金のキャンペーンを3月15日まで実施中だ。開花予想が一致した人は6カ月ものの定期預金が金利0.87%、開花予想が前後1日違いの場合は0.39%になる。

 ただ、このような商品は全て、細かな条件が商品ごとに決まっている。商品概要を把握し、疑問点は窓口や電話で解消してから利用しよう。

AERA 2013年3月18日号