朝日新聞の報道で明らかになった福島県内の除染作業の手抜き横行。その除染方法について、関係業界、専門家の間で批判や不信が渦を巻いている。

 ある大手ゼネコンの県内1次下請けの技術系A氏が憂える。

「どう除染したらいいのか。国も環境省も、基本的な知識を欠いていた。いまもだ」

 生活空間として緊急的な除染が必要な箇所は別だが、超広域の除染には根本的、体系的な策が欠かせない。

 現在、ゼネコンが中心となっている国直轄の除染作業は、環境省が11年12月に発行した「除染関係ガイドライン」に基づいて実施されている。ガイドラインには屋根や雨どい、外壁、側溝、道路を洗う、庭などの草を取る、表土を削る、土で覆う、道端の汚泥を除くなど、除染の際の用具類や除去した土の運搬、保管方法も記されている。

 だが、福島県の汚染地域の大半は山林だ。放射性物質は樹木を汚染し、もはや山林の土壌にも浸透してしまっている。いまのまま個々の場所をいくら除染しても、山から風が吹き、雨水が流れ込めばまた線量は戻ってしまう。超広域の山林斜面の表面土壌などの除去は無視されているから、今後長い年数、雨や雪が降るたびに、山林付近の土地、空間の線量は高くなる。

 環境工学企業の専門家B氏は、前出のガイドラインそのものの欠陥を指摘する。

「洗浄による汚染物質の飛散、流出を防ぐように、と記されているが、どうすればそうした2次汚染を食い止められるのか、肝心なところが業者任せで何も書かれていない」

AERA 2013年2月18日号