大納会に続いて、東日本大震災後の最高値更新に沸いた東京・兜町。東京証券取引所の大発会は例年になく高揚した雰囲気に包まれた (c)朝日新聞社 @@写禁
大納会に続いて、東日本大震災後の最高値更新に沸いた東京・兜町。東京証券取引所の大発会は例年になく高揚した雰囲気に包まれた (c)朝日新聞社 @@写禁

 自民党が大勝した総選挙前後から続く円安・株高。金融市場が久しぶりに活気を取り戻している。だがこの「安倍相場」、いつまで続くのか。

 安倍相場は、安倍氏の発言だけで続いているわけではない。クレディ・スイス証券チーフ・マーケット・ストラテジストの市川眞一氏は、根本的な要因として、米国経済の着実な成長を指摘する。

「安倍政権に対する期待感があるのは事実だが、現在の円安・株高の背景には米国経済への信頼感の高まりがある」

 さらに、アエラでコラムを連載中の金融評論家、ぐっちーさんこと山口正洋氏は「いまの円安・株高については、米国の景気拡大の影響がはるかに大きい」と断言し、「アベノミクス」の効果には、より否定的だ。

「自民党の公約を読めば極めてオーソドックスな内容しか書いていない。安倍さんへの期待感は蜃気楼(しんきろう)のようなもので、そのうちはげ落ちる」

 では、この相場はいつまで続き、どこまで上がるのか。

 為替市場については、国内要因よりも米国経済の確実な回復が大きく影響しており、楽観的な見通しが少なくない。山口氏はこう話す。

「安倍さんのせいでも何でもなく、米国経済の復活によってドルは大暴騰するかもしれない。1ドル=85~90円のレンジで落ち着くのではないか」

AERA 2013年1月14日号