6日に胃がんを公表し、手術直前まで番組収録をこなした宮迫博之。そこには厳しい業界事情が垣間見える。

 所属するよしもとクリエイティブ・エージェンシーの中でも屈指の売れっ子のお笑いコンビ「雨上がり決死隊」。ボケ担当の宮迫はNHK大河ドラマに出演するなど役者としても活躍し、来年1月からの連ドラでもメーンキャストとして予定されていた。絶頂期を迎えた時に病魔が襲ったのだ。

「こういう働き盛りの芸人が、がんを公表したケースがこれまでなかったから、対応に困っている」

 と吉本関係者は苦慮する。

 今回の手術にあたって、宮迫は入院直前まで関西のレギュラー番組2本の収録をこなした。なるべく番組に穴をあけないよう配慮したようだ。

 ある芸能関係者は、こう話す。

「最近は番組を作るにも、よしもと所属の芸人に頼らなくてもいいと考えるテレビ局スタッフが増えてきているんです」

 お笑いブームが一段落したのに加えて他の事務所所属の芸人が増え、大物芸人が急に出演できなくなってもすぐに代役が見つかる。今はそういう状況だと感じているとすれば、絶頂期とはいえ体調が許す限り仕事を入れてしまうのも無理はない。

AERA 2012年12月17日号