今「女子ゲー」といわれる、女性向けの恋愛シュミレーションゲームが人気だ。携帯電話やスマホを使って、気軽にイケメンと疑似恋愛ができるこのゲームにハマる女性も増えている。

 家庭用ゲーム機時代から恋愛ゲーム歴10年という、26歳女性はいま女子ゲーに夢中だ。いつも寝る前や通勤中にプレイ。我慢できずに勤務中にもこっそりプレイする。ハマったのは「恋愛上等イケメン学園」。

「やめられなくなって、勤務中に会社のトイレの個室に駆け込むこともあります。邪魔されずに好きなキャラと向き合える、社内で唯一の場所なんです」

 と笑う。所持しているガラケーとスマホの2台を使って、同じゲーム内で2人のイケメンと恋愛を同時進行させる、「擬似二股」をかけるほどだ。

 ゲームジャーナリストの新清士さんは、恋愛シミュレーションゲームがメジャーになったのは、学校生活を舞台にした「ときめきメモリアル」(1994年)の影響という。

「『ときメモ』は男性用だったが、女性用には同時期に『アンジェリーク』というソフトが発売され、ゲーム好きのコア層にヒットした。男性は新商品が出ればすぐ人気が移り変わるが、女性は一本買ったらずっとやり続ける。お気に入りのキャラとの擬似恋愛を求めて何回も遊ぶので、息の長いゲームが多いのです」

 スマホの性能を駆使するようなハイスペックなゲームでなくても、女性は十分に楽しめる人が多く、「アンジェリーク」でも成功したキャラクターグッズ販売などで、2次的な収益が期待できる、ともいう。

AERA 2012年11月12日号