無料の習い事は地域によってかなり格差が…(※イメージ)
無料の習い事は地域によってかなり格差が…(※イメージ)

 少しでも低予算で子どもに習い事をさせるべく、地域で行われている教室を利用する母親が増えているという。しかし、無料の習い事は地域によってかなり格差があるようだ。

 1年近く前に近隣区から渋谷区に越してきた、2人の小学生を持つ主婦(35)はしみじみ語る。

「以前住んでいた区は自治体が行う習い事は皆無に等しかった。今は、息子が小学校から持ち帰るチラシは、無料のお稽古や教室情報の宝庫です」

 自治体ではどのような教育支援サービスを行っているのか、アエラでアンケートを行ったところ、たしかに渋谷区は充実していことがわかった。そのひとつ、区内の小学1、2年生を対象にした「みやしたこうえんサッカークリニック」は、ナイキ公認のサッカーコーチが無料で直接指導してくれるとあって、大人気だ。定員は各回20人。

「子どもがサッカーを習いはじめたばかり。楽しみながらタダで教えてもらえるので、家計にも大助かりです」

 1年生の長男が参加した母親(40)はこう話す。この一家も3年前に隣接区から越してきたが、渋谷区の習い事の充実ぶりに驚いている。

 自治体によって大きな差が生まれるのはなぜか。自治体の「財政力」に起因するとの指摘もあるが、国立教育政策研究所の葉養(はよう)正明教育政策・評価研究部長は、「自治体の首長の考え方、リーダーシップ」が反映されるとみる。

「財政規模が大きく、お金持ちに見える自治体でも、子どもたちの教育関係にあまり投下していないところは少なくない。逆に財政力が小さくても、教育関係の割合が大きい自治体も多い」

AERA 2012年10月29日号