満を持して上陸したグーグル自社ブランドのタブレット「ネクサス7」。「アンドロイドは使いづらい」なんて、もう言えない。iPadの牙城は崩せるか。

 欧米では7月に発売していたグーグルのアンドロイドOS搭載タブレット端末「Nexus(ネクサス)7」が、国内販売を開始した。価格は16GBモデルで1万9800円。この市場をほぼ独占していたアップルのiPadは同じ容量のモデルで4万2800円なので、半額以下。画面サイズはiPadの9.7インチ(19.7×14.8センチ)と比べ、ネクサス7はひと回り小さい7インチ(15×9.5センチ)だが、ウェブサイトの閲覧には不満はない。

 特筆すべきは、340グラムという軽さ。片手でも楽に持て、倍近い重量のiPadと比べると、その軽さが際立つ。端末背面はゴムのような質感の素材で滑りにくく、電車で片手につり革、片手にネクサス7といった光景が見られるかもしれない。縦書き表示にも優れていて、日本での電子書籍化を加速させる原動力となりうる。

 一方、迎え撃つアップル。タブレット端末市場の覇者の新兵器もiPadの新モデル「iPad mini」ではないか、との噂が絶えない。ネクサス7と同じ画面サイズで、クリスマス商戦にあわせて発売されるのでは、との臆測を呼んでいる。

 なかなか国内での発売が決まらなかったアマゾンの電子書籍端末だが、日本でもいよいよ今秋発売の見込みが強まってきた。9月6日に発表された「キンドル・ファイアHD」は、欧米で販売されている画面7インチ(16GB、199ドル)と11月発売予定の8.9インチ(16GB、299ドル)と、まさにネクサス7とガチンコ。書籍に限らず食品や衣料品も買えるアマゾンだけに、充実度は高い。

 グーグル、アップル、そしてアマゾンの「三つ巴」の様相が大きく展開する。

AERA 2012年10月8日号