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日比 紀文先生

QOLに影響する潰瘍性大腸炎の症状 知っていますか?「便意切迫感」

北里大学北里研究所病院
炎症性腸疾患先進治療センター特別顧問

日比 紀文先生

1973年、慶應義塾大学医学部卒業。北里研究所病院内科医長、慶應がんセンター診療部長、慶應義塾大学医学部内科教授などを経て、2013年に北里大学北里研究所病院 炎症性腸疾患先進治療センター教授・センター長、22年から現職。アジア炎症性腸疾患機構の代表理事、日本炎症性腸疾患学会の名誉理事長・特別顧問なども務める。『IBDを日常診療で診る』(羊土社)など著書多数。

誰しも一度は、突然に襲ってくる激しい腹痛やがまんできない便意を経験しているのではないだろうか。このつらい症状は「便意切迫感」と呼ばれ、潰瘍性大腸炎のさまざまな症状のひとつとして現れる。患者のQOLを著しく低下させる便意切迫感の詳細や患者への影響などについて、北里大学北里研究所病院 炎症性腸疾患先進治療センター特別顧問の日比紀文先生に聞いた。

文/内藤綾子 撮影/簗田郁子 デザイン/スープアップデザインズ
制作/朝日新聞出版メディアプロデュース部ブランドスタジオ 企画/AERA dot. AD セクション

どこで何をしていようとトイレへ駆け込む

 潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜に慢性の炎症が起こり、びらんや潰瘍が生じる疾患だ。厚生労働省により、難病指定されている。発症のピークは20~30代の若い世代で、男女差はない。国内の患者数は約22万人*1と推定されている。

 主な症状は血便、下痢、腹痛などで、発熱や全身倦怠感を伴う人もいる。近年、そんな症状の中でも注目されているのが、「便意切迫感」だ。「今すぐトイレに駆け込まないと、下着を汚してしまう」ほどの突然感じる激しい便意に襲われることについて、北里大学北里研究所病院 炎症性腸疾患先進治療センター特別顧問の日比紀文先生は次のように語る。

「便意切迫感は検査の数値などで測定できないため、これまで医療現場では重視されず、診察時に医師も確認しませんでした。しかし近年、潰瘍性大腸炎の治療で、痛みや不安などの主観的な症状の評価『患者報告アウトカム(PRO)』が、重視されるようになってきたのです。そこで調査*2を行ったところ、多くの患者さんに便意切迫感の悩みがあることが分かりました(グラフ参照)。症状が現れたら、どこで何をしていようと、トイレに走らなければ下着を汚してしまう。ひどいときは毎日起こり、その中でも1日3回以上、便意切迫感に襲われる人もいます。そんな便意切迫感について、医療現場でも重視するようになってきたのです」

 特に患者のQOLの低下は深刻だ。

 日本イーライリリー株式会社が行ったインターネット調査*3によると、「知人や友人に会うのをためらう」「食事の内容が制限される」「外出や旅行をしなくなる」「趣味が楽しめない」といった人は多い。日常生活への影響だけではない。20~30代は就労、結婚、妊娠など重要なライフイベントが控え、責任ある社会的立場を担う年代。「学校や仕事を辞めた」「行きたい学校・やりたい仕事をあきらめた」「結婚を考えられなくなった」「出産をあきらめた」といった人もいる。

*1 Murakami Y. et al. : J Gastroenterol., 54, 1070-7 (2019)

*2 Hibi,T.et al. : Inflamm Intest Dis.,5(1),27(2020)

*3 潰瘍性大腸炎における便意切迫感の影響と実態に関するインターネット調査(潰瘍性大腸炎患者104人、一般生活者425人:2022年12月、医師109人:23年1月)

潰瘍性大腸炎の症状のうち、改善したい症状は何ですか?

*2 Hibi,T.et al.:Inflamm Intest Dis.,5(1),27(2020)から作図
日本における過去1年間に定期的に通院している潰瘍性大腸炎患者を対象に、質問票を用いたインターネットによる調査を実施(2019年2~3月)。

患者と医療者とのコミュニケーションが大切

 多くの問題を抱えながら、患者は何とか便意切迫感と付き合っていかなければならない。外出先のトイレの位置を事前に調べる、便モレパッドをつける、替えの下着を持ち歩くなど、自身の工夫や努力で日常生活を送っている。そんな人たちに対し、日比先生は次のように指摘する。

「患者さんの中には、便意切迫感が急に襲ってくることへの心配から、無意識に行動を制限している人がいます。便モレなどを恥ずかしいことと感じて、医師に相談する人も少ない。しかし、制限の上に成り立っている生活には、多少なりともストレスがあるはず。ストレスを少しでも取り除く手立てを、患者さんと主治医が話し合い、考えていくことが必要です」

 潰瘍性大腸炎の患者全般に対して、重要なのは「患者さんと主治医のコミュニケーション」と日比先生。とはいえ排便に伴う悩みはセンシティブなだけに、「言い出しにくい」という患者は多い。

「『突然、便がしたくなってつらい』『外出先で紙おむつが手放せない』といった排便の悩みは、話したくても話せない人が多いのです。主治医は、患者さんとのコミュニケーションを根気よく積み重ねて信頼関係を育み、便意切迫感の悩みを相談してもらうことが大きな課題です」

 その課題に応える方法のひとつが、患者が相談しやすい環境づくりだという。

「どの病院でも、看護師や薬剤師、栄養士などのチームで、サポート体制を整えています。主治医に話ができないときは、その他の医療スタッフに相談してほしいと思います。医療者の役割は病気をコントロールして終わりではなく、患者さんのQOLを良好に保つことです。患者さんと医療者のコミュニケーションがうまくとれるようになれば、QOLが少しでも向上する方法を一緒に考えることができるでしょう」

患者が不安を持たず生活できる社会を目指して

中村 千絵さん

中村 千絵さん

声優。主な出演作品はアニメ「NARUTO-ナルト-」シリーズ(春野サクラ)、「どろろ」(縫の方)、吹き替え「ジャスティス・リーグ」(ロイス・レイン〈エイミー・アダムス〉)、「モアナと伝説の海」(シーナ)など。

 医療現場の見直しが進んでいる一方、社会へ向けて潰瘍性大腸炎の疾患啓発の動きも加速している。そのひとつが持田製薬と日本イーライリリーによる「潰瘍性大腸炎との暮らしを、話せる社会へ。」プロジェクトだ。プロジェクトの特設サイトでは、便意切迫感との暮らしを描くWEB動画「便意切迫さんのうた」を公開中。声優で、潰瘍性大腸炎の患者でもある中村千絵さんが歌唱を担当している。

「このプロジェクトで、私たち患者が抱える不便さや心細さへの理解が広がれば幸いです。多くの方に潰瘍性大腸炎に関心を持ってもらえたら、心強く、毎日が過ごしやすくなると思います」(中村さん)

 周囲にもし、潰瘍性大腸炎で便意切迫感の悩みを抱えている人がいたら、どう接するとよいのだろう。

「潰瘍性大腸炎は難病ではあるものの希少疾患ではなくなりつつあり、“特別視しない”ことが一番です。トイレのことを話すのに抵抗がある人もいますし、『大丈夫?』などと過度に心配しないで、普通に接してください。ひんぱんにトイレに立つようなことがあっても、見守るだけでスルーして。本人が『手伝ってほしい』と助けを求めてきたときに、サポートしてあげましょう」と日比先生はアドバイスする。

 患者が安心して日常生活を送れるように、社会全体で潰瘍性大腸炎を理解することが重要だ。そのうえで、便意切迫感について患者本人が悩まないような環境をつくり、“見守る”という形でサポートする意識を忘れないようにしたい。

プロジェクトを通じて情報を発信中

持田製薬と日本イーライリリーは、「潰瘍性大腸炎との暮らしを、話せる社会へ。」プロジェクトを2023年7月に開始した。潰瘍性大腸炎と、その症状のひとつ「便意切迫感」への理解を促すもので、日比先生も監修として参加し情報を発信している。プロジェクトの特設サイトでは、中村さんが歌うWEB動画「便意切迫さんのうた」も公開中。

「便意切迫さんのうた」 特設サイト

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