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京都産業大学 学長 黒坂 光さんとAERA 編集長 木村 恵子さん

京都産業大学が“新たな可能性”をサポート 多様な知と人をむすび学生たちの未来に後押しを

2015年に創立50周年を迎え、2030年に向けて中長期事業計画「神山STYLE 2030」を進行中の京都産業大学。人材育成プログラムや大学DXの取り組みについて、木村恵子本誌編集長が黒坂光学長に話を聞いた。

文/高橋 有紀 撮影/大野 博 デザイン/スープアップデザインズ
制作/朝日新聞出版メディアプロデュース部ブランドスタジオ 企画/AERA dot. AD セクション

社会課題がグローバル化している時代に求められる人材像とは

京都産業大学 学長 黒坂 光さん

Akira Kurosaka

黒坂 光さん

京都産業大学
学長

1957年生まれ、大阪市出身。薬学博士(京都大学)。1986年、京都産業大学国土利用開発研究所の講師に就任。以後、工学部生物工学科教授、総合生命科学部長、工学部長、副学長などを歴任。2020年10月から現職。

木村 今年度からアントレプレナー育成プログラムなどの取り組みが始まっていると伺いました。人材育成について今改めて注力している、その思いをまずは聞かせてください。

黒坂 本学では、「建学の精神」として「将来の社会を担って立つ人材の育成」を掲げています。その実現には今日の社会を的確にとらえ、将来に向かって人材育成をすることが大切だと考えています。これからの若い人たちが生きていく将来は、これまでの人たちが見てきた「将来」とは違いますから。そこを明確にして、大学の教職員がみんな同じ方向を見て運営を進めていきたいです。

木村 先行きが不透明な将来を見据えて人材を育成する難しさがあると思いますが、どういう人材が求められていると思われますか。

黒坂 これからの若い人たちが生きるのは、Society 5.0と言われるデジタルイノベーションの社会です。また、温暖化、食糧、ジェンダー、感染症など様々な社会課題がグローバル化していて、一つの専門分野の学びだけでは解決できません。例えば感染症の問題にしても、私は専門が薬学ですからウイルスのことはよくわかりますが、医療現場のこと、法律、人々の行動心理、社会科学的な視点なども問題解決には必要です。そういったことを認識して、学際的な感覚をもって課題解決できる人材を育てていきたいと考えています。

開学時から一貫して志してきた産業界との連携

木村 新たな価値を生み出していくことができる人材、アントレプレナーシップがこれから重要なんですね。

黒坂 大学名が示すように、本学は開学時から産業界との連携を意識しています。1965年に天文学・宇宙物理学者の荒木俊馬が創設し、経済学部・理学部の2学部でスタートしました。一般的に産学連携が大きくうたわれ始めたのは90年代以降です。それまではむしろ大学は産学連携ではなく、アカデミズムの場でした。しかし、本学は大学ができた時から連携を志してきました。これからは単に産学を連携するだけではなく、新しいビジネスを創出できる学生の育成につなげたい。

AERA 編集長 学長 木村 恵子さん

Keiko Kimura

木村 恵子さん

AERA 編集長

木村 会社とか組織の中にいても同じことですよね。全員が起業家にならないとしても、そのマインドは絶対に必要だと実感します。

黒坂 家業を承継する学生も多いのですが、その場合も単に承継するのではなく、展開させていく力が必要です。

木村 具体的にはどういったカリキュラムになりますか。

黒坂 アントレプレナー育成支援に取り組んでいる大学は数多くありますが、多くの場合は、資金提供など最後の出口の部分でのサポートです。入り口の部分は自発的な学生の頑張りに任せるところが多い。本学のプログラムでは、1年生の時から正課教育として位置付け、全学部の教員が関わります。起業を志向する学生は情報、知識をしっかり学んだ上で実践に進んで、外部と接する機会を持ちますから、段階を踏んで準備していくことができます。

木村 地域の方や、すでに社会に出て活躍している人たちも巻き込んで、多種多様な連携をしていくと伺いました。すごく面白いし、学生にとっては貴重な学びになりますね。

黒坂 京都産業大学には卒業生が約16万人います。経営者もいるし、企業で優れた活躍をしている方もたくさんいる。年齢などの属性を問わず、そのネットワークをフル活用していくつもりです。

木村 大学に人材育成へつながる拠点があると心強いですし、いろんな刺激を受けて、さらに社会に還元できる。社会人になってもこの取り組みでの経験は、いいつながりになるのではと感じます。

教育と環境の両面から「大学DX」を実現する

木村 次に「大学DX」の取り組みについてお聞かせください。

黒坂 学長に就任して最初にDX推進の計画を文部科学省に申請し、補助事業の採択を受けました。学生の情報を統合してデータベース化し、それを元に教育を充実させる。学生の成長を可視化させていきたいと考えています。

木村 ソフトバンクやLINEヤフーなどの企業との連携も進めているとか。

黒坂 例えば、バスの待ち時間がリアルタイムでわかるとか、食堂の行列を解消するとか、「スマートキャンパス化」でいろんなことが可能になります。よくキャンパスが(京都の中心部から)遠いと言われるんですが(笑)、実際に来てみたらとても便利、という状態を作りたい。今年の学園祭(神山祭)では、模擬店でのキャッシュレス決済を可能にしました。

木村 それはすごい。教育面と環境面と、両面でDXを進めていくということなんですね。

黒坂 学生1万5千人がワンキャンパスに集まって学んでいますから、変化を取り入れたら、全学生がそれを享受できる。これも京都産業大学ならではの強みだと思っています。

木村 これからの時代のイノベーションというのは、理系は理系だけで、文系は文系だけで、というふうに分散していてできるものではなく、合わさって生み出されるもの。そういう点でもワンキャンパスは理想的な 環境ですね。色々お聞きしてきましたが、どれも、「むすんで、うみだす。」というスローガンで表現されている大学像がベースでつながっていると感じました。

黒坂 大学名である「産業」を、私たちは「むすびわざ」と読み解いています。新しい業(わざ)をむすび、新しいものを生み出す。教室の中の学びだけでなく、地域そして世界に飛び出し、産業界とも連携しながら外での学びを融合させて、新しい価値を生み出していく。京都は歴史と文化の街ですし、優れた先端企業も多くあります。

木村 おっしゃる通りですね。ふるき良きものと、新しいものを融合するのに、まさに京都という場所は適しています。

黒坂 次の時代を切り開いてくれる若い力、人材を一人でも多く京都産業大学から輩出していきたい。新しいことにチャレンジしたい高校生の皆さんは、ぜひここにきて一緒に学んでいただきたいと思います。

木村恵子の編集後記

ワンキャンパス総合大学を掲げる京都産業大学。学長のお話から伝わってきたのは、社会で芽が出ていることをいち早く捉える先進性と、それを実現していくスピード感です。緑豊かで壮大なキャンパスを歩いてみて、多様なものが共鳴しあって大きな力になっていることを感じました。

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AERA SPECIAL REPORT

大学の枠を超えて、起業家精神を育てる 「むすんで、うみだす。」を学びながら実践できる場に

2023年度からスタートした「アントレプレナー育成プログラム」とはどういうものなのか。
数々の起業家を生み出している京都産業大学だからこその強みとは──。
統括する教授のほか、卒業生や在学生の声を聞いた。

イメージ写真

正課科目としてのアントレプレナー育成

文系・理系10学部の約1万5千人の学生が「ONE CAMPUS」で学ぶ京都産業大学。その特長を生かした起業家育成プログラムが2023年度からついに始動した。

アントレプレナー育成プログラムは、全学部が参画する文理融合の正課教育。キャンパス内の新施設「Innovation HUB」に加えて、西陣地区にある町家を改築し「町家 学びテラス・西陣」として、起業活動の拠点に。産業界との連携も深めながら、多様な知・人との交流を促す。

町家 学びテラス・西陣

京都市内に構える「町家 学びテラス・西陣」。毎週水曜日は一般開放しており、他大学生や社会人と交流する中で、"気づき"や"つながり"を得ることのできる場を提供している。

同プログラムを統括する経営学部の具承桓グスンファン教授が説明する。

「正課科目として採り入れたことが一つの目玉となります。外部の業者に委託するなどして大学発ベンチャーの起業数を増やすだけでは、必ずしも学生のためにはなりません。教育プログラムとして、教授たちが学生のアイデアやプランにアドバイスしながら共に育てていく、そのプロセスが大事だと考えています」

秋学期には「アントレプレナーシップと戦略」「アントレプレナーシップとイノベーション」「アントレプレナーシップ演習B」を開講する。これらは「共通教育科目」群の中に設置され、全学部生が履修可能だ。

チームディスカッションの様子

企業と締結した連携協定のもとで進めるスマートキャンパス構想の実現に向けた取り組みとして、ワークショップを開催。チームでディスカッションを実施した。

1年目に基礎科目を学んだ後、2年目以降に応用科目の演習でより具体的な事業の構築プロセスを学ぶというのがプログラムの設計だ。演習では、それぞれ異なる学部から5人の教員がメンターとして参加し、実際にチームを作ってビジネスプランを立て、アイデアを発表する。異なる目線からの専門的なアドバイスを得ることができる、「成長を感じやすい授業」だ。

専門の枠を超えた出会いを失敗の経験も財産になる

「企業活動をしようとする時、一つの専門だけでは乗り越えられないことが多くあります。正課の授業を通じて文系理系の枠を超えた学生同士の出会いを生み出す狙いもあります」

起業を志す学生のほか、家業の事業承継を予定している学生、一旦就職後に起業に備える学生など様々いる。

「学びながらいろんなチャレンジをして失敗したりもする、そういう経験が実のあるものとなります。就職後、いつか起業する場合にも、ここで学ぶことが生かされるはずです」

学内のラウンジスペースに出店したカフェ

アントレプレナー育成プログラムの授業で出会った仲間同士で、学内のラウンジスペースにカフェを出店。日々の運営は文系・理系の学生が協働している。

同プログラムを運営するイノベーションセンターでは産業界とのつながりを生かして、学生のサポートだけでなく産業化・事業化のニーズを持った教員と企業を結ぶなどのサポートも行っていくという。

「今後は海外研修なども導入したい。また卒業生で起業し成果を上げている人たちとのネットワークを強化して、つながることができる場を作ることも考えています」

起業家精神を育ててくれた学生時代

思いとビジネスモデル両輪の感覚を養って

田 由里さん

経営学部卒
株式会社ウーマンスタイル代表取締役

高校時代の狭い自分の世界を飛び出し、大学時代に視野が一気に広がりました。全国から一つのキャンパスに学生が集まってくるので、多様な感覚に触れる機会が多いと思います。

私の場合、事業を立ち上げて一旗あげようという野望があったわけではないんです。夫の転勤で広島にいた頃、2人の主婦が立ち上げた会社と縁があり、契約ディレクターとして働くようになりました。子育てをしながら仕事を続けたくて、でも企業に就職して働くと結構制限が出てしまう。フリーランスで仕事をしていたのが少しずつ広がって、ゆるやかに始めた、そういう感じです。

女性が多様な働き方をしながら空いた時間に自分のスキルを生かし、今助けを必要としている人の力になれたら。そうした思いが家事代行サービスの事業にもつながりました。

経営学部卒 株式会社ウーマンスタイル代表取締役 成田 由里さん

なりた・ゆり/1991年に経営学部卒業後、オリックス株式会社入社。出産を機に専業主婦に。2008年に石川県で株式会社ウーマンスタイルを創業。発酵食品のプロモーション事業「発酵食大学」運営、家事代行マッチングサービスの運営など、マーケティングをサポートする。

起業を目指す学生はこういう困りごとを解決したい、という思いや熱量がきっと強いと思います。その熱量はすごく大事です。一方で実際に事業にするためには、誰からお金を集めるのか、どうビジネスモデルに落とし込むのかの計画がないといけない。熱量とそろばん勘定との、両輪が必要です。意見交換やディスカッションをしながらその両輪の感覚を養っていってほしいなと思います。

ファーストペンギンになるマインドが身についた

原 茂さん

法学部卒
前・ウィルグループ代表取締役社長

「神山スピリット」と言われますが、京産大生は元気でポジティブ、アグレッシブ。就職活動でも、会社説明会で一番最初に手を挙げて質問しているのは同じ京産大生でしたね。

そういう環境だったから、社会に出てからもファーストペンギンになるというか、まずは自分が手を挙げて「俺やります、やらせてください!」というマインドが自分の中に身についていました。

高校生の頃からいずれ自分で会社を経営したいという思いがあったので、大学時代のアルバイトは、営業に同行するなど社長の仕事をすぐ横で見ることができるような小さい会社を選びました。そこで、お金の流れや商売のサイクルを自分で理解していきました。

法学部卒 前・ウィルグループ代表取締役社長 大原 茂さん

おおはら・しげる(右)/1991年に法学部卒業後、株式会社長谷工コーポレーション入社。96年に独立してマーケティング会社を創業。その後、2000年に自身の会社を株式会社ウィルオブ・ワークに売却すると同時に、取締役として経営に参画。16年、ウィルグループ代表取締役社長に就任。現在は、複数企業の社外取締役を務めながら、ひとり親家庭の子どもたちを支援するNPO立ち上げを画策している。

大学の学びはインプットがメインですが、アントレプレナー育成プログラムでは、ぜひアウトプットの機会を増やしてもらいたいと思います。自分たちで考えてまず何か作ってみる、仮想の会社を立ち上げてみる。会社を作っても順風満帆に物事は進まず、途中で多くの軌道修正が必要になります。チャレンジして失敗し、失敗から多くを学ぶ。学生時代にそういう経験ができると将来にも生かされてくるはずです。

このプログラムが、起業家だけではなく、企業の中でもイノベーションを起こせる人材を生み出してくれるのではと期待しています。

学生の声

アプリを開発したり、ビジネスコンテストで受賞したりするなど、すでに起業の実績を持つ「本気」の学生たちも多い京都産業大学。春学期に「アントレプレナーシップ演習A」の授業を受けた学生たちからはこんな声が聞かれた。

  • 起業家精神を持った学生と交流できたことが何よりも良かったと実感しています。起業の話ができる友達もいなかった自分にとっては、大きな収穫になりました
  • グループ発表で他の班のビジネスプランを聞けた点がよかった
  • 自身では気づけない内容で、どの授業よりも将来、自身の力につながると感じました
  • 実際に社長の方に授業で講演をしていただいたのがためになった

アントレプレナー育成プログラムでは
「むすぶ人」の可能性を広げます

京都産業大学では、文系理系10学部の学生が一つに集結する「ONE CAMPUS」ならではの特長を生かした起業家育成プログラムを2023年度に始動した。京都市内に構える「町家 学びテラス・西陣」に加え、起業活動の拠点となる施設を新たにキャンパス内に設置。また、起業支援の充実に向けて、産業界との連携も進めている。

問い合わせ先:075-705-1450(イノベーションセンター事務室)

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