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ヘッダー画像 セブン-イレブン[50周年企画]明日の笑顔を 共に創る

つらいときうれしいときこれからも地域の支えになるお店でありたい

家族で経営に取り組んでいる。右から、長女・守谷由香(もりや・ゆか)さん、妻・中川孝子(なかがわ・たかこ)さん、
耕一さん、次女・川上麻美(かわかみ・あさみ)さん、次女の夫・川上一成(かわかみ・かずしげ)さん

08セブン-イレブン益城安永店(熊本県)

大きな被害をもたらした地震を経験した熊本県益城町のセブン-イレブン。
地震の被害に遭いながらも地域の人のため、食料と水を販売し続け、
お客様の心の支えとなった。今もお客様と地域の復興を後押しする。

文/鮎川哲也 撮影/馬場岳人(朝日新聞出版) デザイン/スープアップデザインズ
制作/朝日新聞出版メディアプロデュース部ブランドスタジオ 企画/AERA dot. AD セクション

中川耕一さん
オーナー 中川なかがわ耕一こういちさん

熊本県上益城郡益城町出身。ゴルフが好きで、若い頃のスコアは100を切る腕前だった。最近はスコアよりプレーを楽しむという考えに切り替えた。ゴルフに限らず健康に関しては気を使い、気持ちも前向きにポジティブを信条としている

 日本は地震の多発国であることを、多くの人が実感しているだろう。

 ただ、日本は震災に見舞われても、その度に困難を乗り越え、原状に回復する「復旧」、さらに、人や地域が元気を取り戻し、さらなる発展を目指す「復興」を成し遂げてきた。

 セブン-イレブン益城安永店のオーナー・中川耕一さんもその一人である。

「あれから7年、あっと言う間ですね」

 耕一さんは感慨深げに話し始めた。もともと熊本市内などで書店を4店舗経営しており、そのうち2店舗が益城町にあった。しかし書籍の売上が減っていくのを見て、不安を抱えていた。将来性、地域貢献などを視野に入れ事業展開を模索していたとき、可能性を感じたのがセブン-イレブンだった。

「話を聞けば聞くほど時代に合致して、長く続けていける仕事だと実感しました。そこで『セブン-イレブンを始めたい』と家族に話したんです。すると長男が『自分が通う高校の裏にもあって、いつも賑わっているよ』と楽しそうに話してくれました」

 しかし妻の孝子さんには不安があった。耕一さんはこのとき50歳を超えており、今から新しいことを始められるのだろうかと。そこで耕一さんは、接客の仕事をしていた次女の麻美さんにも相談。その経験を生かして、麻美さんも経営に参加してもらおうと提案し、家族でセブン-イレブンに加盟することを決めた。場所は経営していた書店のすぐ近くだ。

「この辺りは交通量も多いし、益城町と熊本市街を結ぶ幹線であることから、最適だと考えました」

 そして、2005年に益城惣領店(後に益城安永店としてリニューアル)のオープンの日を迎えた。

「びっくりしましたよ。7時オープンなのに開店前からお客様が来て行列を成しているんです。開店したらどんどん商品が売れ、レジに並ぶお客様が途切れませんでした」

 接客は書店で経験していたが、お客様が桁違いに多い。どんどん商品が売れ、みんなとても楽しそうだ。夜、仕事を終えたとき、セブン-イレブンを始めてよかったと、心地よい疲れの中で喜びがこみあげてきた。

私にはやるべきことがある

真柴恵美さん

益城惣領店がオープンしたときから働く真柴恵美さん。「セブン-イレブンは生活に欠かせない存在」だと話す

 益城惣領店は地域に定着し、順調に売上を伸ばしていく。2011年5月に益城砥川店、2016年2月に益城総合運動公園前店、2018年1月に益城福富店と耕一さんは次々と店舗を展開した。

「特に3店舗目のオープンはうれしかったですね。お店が自宅近くで、本当の地元。これから地元の人たちに貢献できる、そう期待していました……」

 そう未来への希望に胸を膨らませた日から一カ月半後の4月14日夜9時、突然大きな揺れが起きた。熊本県熊本地方を震度7の地震が襲ったのだ。耕一さんの家はその揺れの影響で大きな被害を受けた。かろうじて住める状態だったが、自分自身のことも不安な中、お店に足を運んだ。

「幸いにも従業員さんは皆、無事でしたが、店はめちゃくちゃ。もうどこから手を付けて良いかわからない状態で、何も考えられませんでした。そこにセブン-イレブンの本部社員の方が応援にやって来て、店舗の復旧を手伝ってくれたんです。ご自身も被災して大変だろうに……本当にありがたかったです」

 耕一さんは悲惨な状況の中でも、心強さを感じた。

「この人たちがついている」

 そうした安心感も抱きながら、夜一度家に戻ることにした。するとその日の深夜、さらに大きな揺れに見舞われた。

「夜中でしたが、起きていました。突然ドーンと大きな揺れが来て電気が消え、真っ暗になりました」

 揺れの影響で家中のものが倒れ、閉じ込められてしまった。

「真っ暗な中、どこにも出口がない。死を覚悟しました。でも助かりたいという気持ちが強くなり、手探りで必死に動いて出られそうなところを見つけました」

 ほのかな灯りを頼りに、やっとの思いで家を脱出した耕一さんは、安堵と共に力が抜けていく中、不思議な気持ちに包まれた。

「私は生かされているのだ。私にはやるべきことがある」

秋津川河川公園

自宅の近所にあり、よく散歩に訪れる秋津川河川公園。公園近くには震災で被害を受けた
木山橋がある。町にかかる20の橋が被災したが復旧は最終段階に入っているという

復旧、そして復興へ。これまで以上に身近で地域の発展を支える存在に。

使命感が私を自然に動かした

木山神宮

祖父が宮司を務めていた木山神宮で。「阿蘇の神様を祀る益城の守り神です。神殿が崩落しましたが再建されました。私たちにとって復興のシンボルです」

 耕一さんのスイッチが切り替わった。2度目の地震で家は全壊したため、車で寝泊まりすることにした。この状況では水や食料が必ず不足する。ならば私が力になる、そう決断した耕一さんは、行動を起こす。

「発電機を探して、益城総合運動公園前店に持ってきてもらい、真っ暗になった地域で最初に灯りをつけました。それにより、一番早くお店を開けることができたんです」

 被災した住民にとって、この灯りはまさに「希望の光」だった。

 すぐそばにある益城町総合運動公園は大規模な避難所となっていた。避難生活が続く中、「セブン-イレブンで買い物をして避難所に戻る時間が、憩いのひとときになっている」というお客様の声に勇気づけられた。

「食べるものが本当に不足していましたが、セブン-イレブンには幸いにも商品が入ってきて、販売することができました。私の地元で、お客様・地域・そしてセブン-イレブンが一体になり、前に進んでいることを実感しました」

 耕一さんは、店に泊まり込んだり、車中泊をしたりしながら営業を続けた。妻の孝子さんと娘たちも、避難所からお店に通い続けた。麻美さんは当時を振り返った。

「無我夢中だったので、そのときの記憶があまりないのですが、待っているお客様がいたので、とにかくお店を開けないといけないと思いました。自分たちのことが後回しになって、生活は大変でしたけどね」

 こうして今があるのはセブン-イレブンを共に始めた家族の支えがあったからだと耕一さんは強調する。さらに、支えになったのは家族だけではなかった。従業員の真柴恵美さんは、こう話す。

「震災後、みんなが力を合わせているので、自分も力になりたいと思いました。困っている人がいるので、自分にできることはしたい、そう思ったんです」

益城の町

少しずつ復旧・復興へと歩みを続ける益城の町(左)。整備された場所と、まだ復旧作業が続く土地が混在する。震災後最初に灯りがつき、いち早くお店をオープンしたのが、経営する店の一つ、益城総合運動公園前店だ(右)

熊本地震で被災した地域のために尽力したことで感謝状が本部から贈られた

熊本地震で被災した地域のために尽力したことで感謝状が本部から
贈られた

 耕一さんも当時をこう振り返る。

「アルバイトの従業員さんが、困っている人の役に立ちたいから夜のシフトで働かせてくださいとやってくるんです。夜はお店を閉めていたのですが、開けることにしました。みんな同じ思いだったのですね」

 肥後国領主として熊本の国造りの基礎を築いた加藤清正は、「上一人の気持ちは、下万人に通ずる」という言葉を残している。耕一さんの思いはお店に関わる人すべてに伝わっていたのだ。

 耕一さんがオーナーを務めるセブン-イレブンは、震災前にも増して益城町の人にとって、なくてはならない存在になっていった。18年前、益城町で一番初めにオープンした益城惣領店は2021年に熊本高森線(県道28号線)の4車線化に伴い、現在の益城安永店としてリニューアルした。益城町は復旧を経て、確実に復興している。

 耕一さんは益城の町を歩くとよく声を掛けられるという。町の人は震災のとき、いち早くお店を開けてくれた、耕一さんのセブン-イレブンのことをよく覚えているからだ。

「お客様からいただいた感謝を地元にお返しするのが私の使命です。だからこそ、生き抜くことが大事だと思います。それは人も企業も同じです。震災を通じて、多くのことに気づかされました」

 そう力強く話し、大きく笑った。まだやらなければならないことがある。目指すは最高齢のオーナーだと話す。

「益城町にお店を出したのも、生まれ育ったこの町に貢献するためです。まだまだ道半ばですよ」

 耕一さんの想いは未来に続いていく。

My dream
My dream

「ともかく、何ごともやり続けることで成果は必ず得られます。中途半端なのは絶対ダメです。それは何年、何十年とやってきた自分の経験からも言えることです。だから今の仕事も震災前から全力で向かっていましたが、震災後はその気持ちが強くなりました。全力で継続していきます」(耕一さん)

セブン-イレブン益城安永店

住所

熊本県上益城郡益城町大字安永621-1

特徴

1号店の益城惣領店を2021年リニューアルしてオープン。
現在4店舗を経営

セブン&アイHLDGS.公式HP