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大学教授がアバターに!?

常識を超えた“イマドキ授業”

2020年1月に国内で初めて新型コロナウイルス感染症の感染者が確認されてから、我々の生活は劇的な変化を遂げた。例えば、2022年8月に東京都が行った「テレワーク実施率調査」(428社が回答)では、テレワークを実施している企業は58.6%で、2020年3月の24%から2倍以上に増加している。また、2020年12月に内閣府が実施した「第2回新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」では、オンライン授業を受講した経験がある大学生・大学院生(700人が回答)は87.7%で、そのうち61.3%の学生がオンライン授業の継続を希望していた。

古い基盤を新しくしようとするのは今に始まったことではない。若者世代が戦後激動の時代を生きた大学生を想像できないように、現役大学生ではない人たちからしたら今を生きる若者の人間関係も知らないことだらけなのかもしれない。

筆者が所属するデジタルハリウッド大学でも対面授業は戻りつつあるが、履修者が100人以上の科目についてはオンラインでの受講が続いている。そこでは、デジタルを存分に生かした独特のコミュニケーションがとられている。

今を生きる大学生のコミュニケーション

「北海道で行うはずだった新入生研修が中止になって『何をするんだろう』というところから大学生活は始まりました。初めて登校したのは2年生の後期でよっ友(顔をみれば「よっ」と挨拶するが、それ以上の付き合いはない友人)しかいない状況でした。オンラインに慣れてきた今の1、2年生はアクティブだなと思います」

そう話すのは3年の林大稀さんだ。林さんは入学と新型コロナウイルス感染症の感染拡大の時期が重なってしまった世代だ。中止になった新入生研修はオンラインでの実施となった。

そんな林さんはバーチャルライブ配信アプリを開発し、デジタルハリウッド大学大学院客員教授でVR研究者の白井暁彦先生と一緒にバーチャル上にキャンパスを再現しようとしている。

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デジタルハリウッド大学3年生の林大稀さん。右は配信活動で使用しているアバター

中国人留学生のシュホウワンさん(1年)はアバターを使用したオンライン授業について、「朝早くて身だしなみを整える時間がない時と生活感を見せたくない時によくアバターを使っています」と話す。

アバターを使えば自分のリアルな顔を見せることなく、コミュニケーションがとれる。理由は人それぞれで人間関係のトラブルから使い始めた人もいる。背景を自由に設定できるのも特徴だ。

「背景を自由にできるのでSNSの二次元コードを載せると気の合う仲間を集められたり、ゲームの背景にしたら同じ趣味の人が話しかけてくれるのはいいところです」(シュホウワンさん)

「そもそもカメラなんかつけてくれないしね(笑)」

アバターを使用したオンライン授業にはどのようなメリットがあるのだろうか。株式会社キッズプレートの代表取締役で、同大学でVRやメタバースを中心に教えている茂出木謙太郎氏に話を聞いた。

「ずっとカメラオンで授業を受けていると疲れるんですよ。鏡を前にしているようで気が抜けないため疲労も大きいんです」

アバターを用いたコミュニケーションは「顔出し」によるコミュニケーションと比較して、視覚的に得られる情報量が少ない。一見、デメリットにも思えるが、茂出木氏は「コミュニケーションが楽になる」と話す。

「表情が見えると『この学生はこういう人だ』と理解する手がかりになる反面、不必要な情報も得てしまう。例えば、髪を切りすぎちゃって顔を出したくないけど『顔を出せ』と言われたら不機嫌になる学生もいるでしょう。アバターや背景などを使えばコミュニケーションが楽になる。そもそも学生はカメラなんかつけてくれないですしね(笑)。面白いのは、楽しんでいる学生がアバターを作ると自然と楽しそうな背景やキャラクターになるんです。そうすると次第に発言が増えたり学生の態度が変わったりすることもあります」

交流の場を失ったオンラインでの授業の実態

一方で、オンラインで授業をするようになって失われたものもあるという。

「オンライン授業は、まだ設計がちゃんとできていない。例えば、オンライン会議のように『お疲れさまでした』と言って接続をブチッと切ってしまうと、学生たちは雑談ができないですよね。対面だと先生が帰った後に友だちと雑談するじゃないですか。なんでもない会話って学生生活で一番重要と言ってもいいほどで、その会話をすることによって一生の友だちになるかもしれない人を取捨選択していく。もっと自然にコミュニケーションできるようにデザインし直すことが重要だと思っています」(茂出木氏)

コロナ禍で友だち作りのきっかけが少なくなった背景にはこのようなコミュニケーションの場が失われたことも影響しているのかもしれない。筆者も対面授業が戻ってきて教師やTA(ティーチングアシスタント)が近くにいると質問がしやすいと感じる。

「ウロウロしているのはすごい重要。メタバースとかのシステムで何が足りていないかというと気配を感じるのが難しい。気配が分かると今話しかけていいか分かって会話しやすくなる」(茂出木氏)

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取材をした際にアバターで登場した茂出木氏。授業に限らず普段からこの姿で実際に顔をみた人は少ないという

リアルとオンラインのどちらかが優れているという話ではないだろう。リアルとオンラインを経験した世代だからこそ、お互いを融合させることで、まったく新しい生活を作ることだってできるはずだ。

1994年、デジタルハリウッド大学学長の杉山知之は「21世紀は空気のようにインターネットが地球全体を覆うことになる。その環境を生かすためには全てをデザインし直さなければならない」と確信し、Re-Designing the Futureという言葉を掲げた。バーチャルとリアルの区別などない世界がもうすぐそこに待っている。

杉山学長は、2021年秋に筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症したことを公表した。身体の自由は制限されながらも、デジタルツールやメタバース技術を生かしながら、学長としての仕事を続けている。2022年夏に開催されたオープンキャンパスでは「バーチャル学長」として、ALS発症直後に収録・制作した合成音声と専用アバターで挨拶をした。

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2022年8月21日に行われた夏のオープンキャンパスday2で「バーチャル学長」として挨拶をした杉山学長。オンライン動画でのコメント欄でも賑わいを見せた

コロナ禍により私たちの生活は大きく変化した。それは悪いことばかりではない。長年変わることのなかった学校生活を新しい形へと進化させるチャンスである。一時的な「変化」ではなく、新しい形への「進化」にするために、スクールモットーに
Entertainment. It’s everything.を掲げる私たちは常に前に進み続けるだろう。やりたいことができない、退屈になったと思われたコロナ禍すらチャンスにして。みなさんの誰かを楽しませたいという気持ちから世界は変わり始めるのかもしれない。

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デジタルハリウッド大学チームのキャンパスPRプロジェクト5期生。オープンキャンパスをはじめとする様々な企画運営に主体的に携わる。イベントに来てくれた人を楽しませようと考えオープンキャンパスにテーマを設けるところから考えるようになった。今年のテーマは「サーカス」

(デジタルハリウッド大学チーム)