神戸女学院大学は「愛神愛隣」を学院の永久標語に掲げ、キリスト教主義、国際理解の精神、リベラルアーツ教育を3つの柱に据えて、1875年の創立以来、145年以上にわたる伝統を紡いできた。
その伝統を受け継いできた教育においてはキャンパスも重要な役割を果たしている。建築家ヴォーリズが設計し、重要文化財にも指定された建物群は、機能性、芸術性に優れ、学生たちの豊かな人間性を育んできた。
学生が企業に出会う場を創出
年間130以上の講演やセミナー開催
学生のキャリアを支援するキャリアセンターでは、社会に出る学生が幸せな第一歩を踏み出せるよう、特に次の3点に力を入れている。
一つ目は、学生が自分にとって最も適していると思われる企業に出会う機会の創出に努めていること。同センター課長の山田義憲さんはこう話す。
「毎年、各企業や団体から数多くの求人票が届きますが、各学生の要望などを熟知したセンター職員が求人票にしっかりと目を通し、おすすめできる求人を『おすすめ求人』として紹介しています。中には企業の採用ページや就職ナビには掲載されておらず、直接大学に依頼がくることもあり、そうした求人票が届いた場合は、事前登録してもらっているメルマガに情報を配信しています。こうした取り組みにより、学生と企業のマッチングがうまくいった事例がたくさんあります」
二つ目は、3年生への全員面談実施と、充実した「キャリアサポートプログラム」だ。
毎年秋、同センターでは、3年生全員を対象に「自己分析サポート面談」を行なっている。これは自己分析と自己PR 作成といった就活基礎体力をつけるためだ。
キャリアサポートプログラムは、大きく分けて就活で必要な基礎力を養う「就活ベーシック講座」(7回)、実践力を身につける「就活アドバンスト講座」(7回)がある。万全の体制で就活に臨めるよう、年間を通じて計画的な構成がなされている。
三つ目は、「業界」「企業」「仕事」について幅広く知ることを目的とした「KC キャリアフォーラム」だ。業界に詳しい講師や企業の採用担当者を招き、業界探究、仕事発見、企業研究などのセミナーや講演を開催。就活を控えた3年生だけではなく、1年生から参加できるようにしている。「キャリアサポートプログラム」と「KC キャリアフォーラム」を合わせると年間130回を超える講座を開催している。
特に毎年2月に行われる企業研究セミナーは、採用担当者が多く来校することもあり、普段にも増して学生が緊張感を持って臨むイベントだ。「本学と繋がりが深い様々な業種の企業の採用担当者をお招きして、業界の動向や企業の事情などをよく理解するためのセミナーです。自分に合った企業に出会う貴重なチャンスで、この場で知り合った企業から内定をもらって入社する学生も多いです。2020年度はオンライン開催となりましたが、例年100社以上にご参加いただいています」(山田さん)。このように企業と深い信頼関係が構築されているのは、学生にとって心強い。
キャリアセンターのこうしたサポートが功を奏し、2020年度(2021年3月卒業生)の就職率は98.5%(2019年度は98.7%)。コロナ禍にもかかわらず、高い就職率を維持している。
TOPICS
実社会で活躍できる
力を養う
「特色プログラム」
特色プログラム(2年生~4年生、選択)は社会で活躍するためのより高度な学修を行うとともに現場での実践を重視しており、三つのプログラムで構成されている。多様なライフスタイル、ライフステージで発揮できるコミュニケーション能力を身につける「キャリアデザインプログラム」、地域社会の課題を見つけて解決するための実行力を養う「地域創りリーダー養成プログラム」、プロの通訳・翻訳者が指導し、異文化間コミュニケーション能力を伸ばす「通訳・翻訳プログラム」です。学外からの講師も招き、専門的な知識やスキル、経験を磨くことができます。