最新ツールを無償提供し、
コロナ禍の企業をサポート

ITの力で
テレワークを快適に

法人向けのICTサービスを提供しているソニービズネットワークス。高速光回線の他、機動力を武器に、時代のニーズを汲んだ新たなソリューションを展開している。同社の小笠原康貴代表取締役社長に、コロナ禍における企業のニーズと今後の展望を聞いた。

文/音部 美穂 撮影/スケガワ ケンイチ 
企画・制作/AERA dot.AD セクション


ネットワークの新規加入が
前期の1.5倍に増加

AERA裏表紙

AERA裏表紙に、小笠原代表取締役社長が登場しました!

片桐 御社は2012年に設立したばかりの新しい会社だとうかがっています。ソニーグループの一員として、どのような事業を手掛けているのでしょうか。
小笠原 法人向けのインターネット接続サービスや、ITを活用したソリューションの提供です。私たちが仕事をするなかで通信速度が遅いなどの不便を感じ、ITをめぐるビジネス環境を快適にしたいと考えたのが設立のきっかけです。
片桐 具体的には、どのようなサービスを展開しているのでしょうか。
小笠原 事業の中心は高速光回線「NURO Bizニューロ ビズ」です。すべての企業にインターネットを快適に使っていただきたいという思いから、高品質かつ低価格での提供を実現し、サービス開始以来、多くの企業に利用していただいています。
片桐 新型コロナウイルス感染症によってテレワークが普及した今、安定的な通信環境でネット回線を遅滞なく使えることは、必要不可欠ですね。やはりテレワークの促進で、法人向けのニーズは増えていますか。
小笠原 はい。今期はネットワークへの新規加入数が前期の1.5倍に増えています。新規だけでなく、既存のお客さまからも「回線の本数が必要になったから」と追加でのお申し込みもありました。コロナ収束後も従業員がさまざまな場所で作業したり、自宅からオンライン会議に参加したりするのが当たり前という時代になるでしょう。そのため、ネット環境の充実はよりいっそう求められるようになると考えています。
片桐 御社では早い段階からテレワークに取り組んでいるそうですが、移行はスムーズに進みましたか。
小笠原 当社では、昨年3月2日から全社一斉にテレワークに移行しています。ただ、それ以前から働き方改革の一環として、どの場所でも仕事ができるよう、営業管理や決裁もクラウド上で行える仕組みを整えていたので、移行は非常にスムーズでした。

コロナ禍に対応した
体調管理ツールを無償提供

小笠原 康貴

小笠原 康貴 Yasutaka Ogasawara

ソニービズネットワークス株式会社 代表取締役社長
日本電信電話を経て、2001年、ソニーに入社。通信事業におけるサービス企画等に注力し、「NURO光」を手掛けるソニーネットワークコミュニケーションズにも在籍。18年にソニービズネットワークス取締役執行役員に就任し、昨年6月から現職。

片桐 編集部でも昨年4月からテレワークに移行したのですが、仕組みづくりに苦労し、スタートまで1カ月を要しました。また、コロナ禍が長引くにつれて対面でのコミュニケーションができないジレンマも感じています。
小笠原 毎日顔を合わせていれば「体調が悪そうだな」と気づけても、テレワークだとそれが難しいですよね。当社では、そういった声に応えるためのクラウド支援型ツール「somu-lier toolソムリエ ツール」を提供しています。従業員は毎日テレワーク開始時に、体温や体調を入力。テレワークの勤怠管理とともに、各人の体調を一元管理することができ、今後は出社予約や出社率の管理機能を、順次実装していく予定です。さらに、従業員がPCR検査で陽性反応が出た場合は、申告に基づいてクラウド上の記録から、感染日時の推定や、どの従業員と接触があったのかをただちに分析。社内の濃厚接触者や接触時間などを一覧で表示します。
片桐 従業員の体調を把握しやすく、リスク管理にも役立ちますね。
小笠原 実は当社でもテレワーク開始当初は、簡単なツールを急きょ作って従業員の体調管理を行っていたのですが、それをまとめる人事担当者の仕事が急激に増え、管理が追いつかなくなってしまいました。それならば、本格的に専用ツールを作ろうということで開発に着手。当社では、もともとクラウド型勤怠管理システム「AKASHIアカシ」を展開し、働きやすい環境を整えるサービスを提供してきました。「somu-lier tool」の開発にも、「AKASHI」で培った技術が生かされています。
片桐 現在、「somu-lier tool」は無償で提供しているそうですね。その狙いはなんでしょうか。
小笠原 コロナ禍に翻弄される企業をサポートするためのツールですので、いかに早く導入していただくかが重要です。「見積もりを取って社内決裁をして……」などとやっているうちに、社内でクラスターが発生して業務に多大な影響が出る可能性も否定できません。ですので、迅速に利用を開始していただくためにも、ハードルを下げることは必須だと考えたのです。

AIを手軽に導入するための
破格プロジェクトをスタート

片桐 圭子

片桐 圭子 Keiko Katagiri

AERA 編集長

片桐 今後はどのようなビジネス展開をお考えですか。
小笠原 近い将来、当社の主力になるのはAIを活用したツールだと考えています。日本は、他の先進国に比べてIT活用が遅れているといわれていますが、AIの活用でも出遅れたら、さらに差が広がってしまう。「somu-lier tool」と同じく、まずAIに触れてもらうには、導入のハードルを下げる必要があります。そこで、AIツールとしては破格の年間19万8千円のプロジェクトを開始しました。
片桐 そのプロジェクトでは、どのようなことができるのでしょうか。
小笠原 たとえばサービス会員の退会率管理などです。従来は顧客会員を無作為抽出して「サービスをお使いいただけていますか」などと電話をかけていたかと思います。ですが、データを活用しAIで分析することで、退会する確率が高そうな会員をリストアップし、効率的に営業をすることができるのです。
片桐 AIの導入もスピードは重要ですよね。
小笠原 ええ。AIを活用するにはデータが必要ですが、実際にAIを使ってみないと必要なデータが把握しづらいという現実があります。そのため、まずは手軽に導入して必要なデータや採取方法を確立する。それが早ければ早いほど、将来的に業務に大きく役立ってくると思っています。
片桐 今抱えている課題がAIによって解決できるかもしれないと知ることが第一歩になるんですね。
小笠原 その通りです。そういった考えが広く浸透すれば、5年後10年後の未来は必ず変わってくると信じています。

片桐圭子の編集後記

 私自身もテレワークでさまざまな試行錯誤を続けていますが、「somu-lier tool」の無償化に踏み切った経緯をお聞きし、コロナ禍に翻弄される企業に寄り添おうとする想いを強く感じました。また「somu-lier tool」だけでなく、AIを活用したツールも、まずは実際に触れてもらって、その利便性を知ってもらうことが第一歩なんですよね。新しい技術を世に広めるために、できるかぎりハードルを下げる。それを徹底していることが話の端々から伝わってきました。

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提供:ソニービズネットワークス株式会社