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エチオピアの湖を救う 創価大学の国際共同研究

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箱根駅伝での駅伝部の快走で、年始から驚きと感動を与えてくれた創価大学。創立50周年を迎える2021年は、学術・研究面はもちろんSDGsなどの社会貢献活動でも多くのイニシアチブを発揮する。その一つが、アフリカ・エチオピアの社会課題解決に挑む国際共同研究「SATREPS-EARTH」である。

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取材・文/片岡大輔 デザイン/スープアップデザインズ 
企画/ AERA dot. AD セクション 制作/朝日新聞出版カスタム出版部

エチオピアの湖で過剰繁殖する水草ホテイアオイが社会問題に

 2021年4月2日に創立50周年を迎える創価大学。この記念すべきタイミングに、同大がかねてより推進してきたアフリカ諸国との国際共同研究が、科学技術振興機構(JST)と国際協力機構(JICA)による地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)として本格的にスタートを切った。

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湖面に浮遊するホテイアオイの根は1m以上にも

「本学では17年度から大学を挙げてエチオピアでの国際共同研究を推進してきました。青ナイル川の源流タナ湖は、東京都とほぼ同じ広さの面積があります。その約1/3にあたる東京23区ほどの面積の湖面を覆う外来水草ホテイアオイの過剰繁殖が、エチオピアの環境と経済に悪影響を生み出し、社会問題になっています。そこで私たちは刈り取ったホテイアオイを資源=バイオマスとして有効活用し、健全な湖沼生態系への修復だけでなく、 エネルギー不足や土壌改善、子どもたちの栄養問題といった、エチオピアが抱えるさまざまな社会課題の解決を目指しています。これまでエチオピアの3機関と共同で行ってきた活動の成果が評価され、昨年6月にSATREPS事業に採択されました」

 そう語るのは、プロジェクトの代表を務める創価大学理工学部の佐藤伸二郎教授。このプロジェクトは創価大学にとって二つ目のSATREPS事業となり、一つの学部で二つの事業が採択されたのは私立大学では前例がない快挙である。

刈り取ったホテイアオイを社会課題解決の資源として活用

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学生が考案したスピルリナ食品の試食アンケート

 正式名称は「ナイルの源流エチオピア・タナ湖で過剰繁茂する水草バイオマスの管理手法と有効利用プロセスの確立」。その英訳の頭文字から「SATREPS-EARTH」と愛称がつけられたこのプロジェクトには、大きく四つの研究テーマがある。

 多岐な学問領域に及ぶ四つのテーマを、創価大学では文理融合プロジェクトとして取り組んでいる。理工学部及び理工学研究科、経済学部、経営学部、看護学部、さらにはプランクトン工学研究所といった各部門が、それぞれの強みを生かして研究を進めている。

「たとえばテーマ2では、回収したホテイアオイを圧搾し、固液分離することで栄養とエネルギーを回収する研究を進めていますが、この技術自体が本学の理工学部が持つ特許技術です。テーマ4では、スピルリナを含む栄養改善食品を経済・経営学部が中心となって開発し、子どもたちへの栄養改善効果を、看護学部の協力のもとで専門的にモニタリングしています」

 プロジェクトには、琵琶湖の水草処理や水質管理で培った豊富な知見を持つ滋賀県立大学と滋賀県琵琶湖環境科学研究センターも参画している。さらには三菱リサーチ&コンサルティング社が、エチオピア国内でスピルリナの栄養改善食品を加工・販売・流通させる仕組みを構築すべく、シンクタンクとして参加している。

価値創造に取り組み無限の可能性を拓く

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 創立50周年を迎えるにあたり、創価大学では昨年新たな10カ年の中長期計画の策定に着手した。そのなかでも、国連が定める持続可能な開発目標(SDGs)の推進を掲げている。SATREPS-EARTHは、研究成果の社会実装を成功させ、将来的にSDGs3つのゴール「15陸の豊かさを守ろう」「2飢餓をゼロに」「9産業と技術革新の基盤を作ろう」への貢献を目指す。

「本学が開発してきたバイオマス有効利用方法を発展させ、これまでのアフリカとの学術・人的交流実績を踏まえながら、エチオピアの研究者と共に現地における環境・社会・健康問題の解決に貢献できることはこの上ない喜びです。

 本プロジェクトを成功させるためには、本学の学生たちの協力も欠かせません。プロジェクトに関係する学生が自らの研究を深めながら日本で培った研究を現地に定着させることで、実社会に貢献できる研究を深めることができます。こうしたプロジェクトを通じて、学生には国際感覚を養い、国際技術協力を体現できる人材に育ってほしいと考えています」

『Discover your potential(自分力の発見)』をモットーとする同大学。今後もこうしたプロジェクトを通じて、学生一人ひとりの可能性を拓く教育・研究を推進し、〝価値創造を実践する「世界市民」〟を育成していく。

佐藤 伸二郎教授

理工学部 共生創造理工学科
佐藤 伸二郎 教授

2003年フロリダ大学で博士号(土壌学)取得後、2010年創価大学赴任。国際経験を生かして、エチオピアでの国際共同研究でリーダーシップを発揮。

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