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キャリア形成の新たな選択肢 挑戦できるマインド育むアントレプレナーシップとは

今年度より正課授業として「アントレプレナーシップ―新しい事業を始めるための経営学―」を開講している武蔵大学。株式会社アルプス技研の創業者・松井利夫氏による寄付講座としてスタートした。「アントレプレナー」とは起業家のこと。学生の「起業家精神」を育もうと、現在活躍中の起業家やベンチャーキャピタリストの生の声を聴かせる。前期講座で登壇したBearTail代表取締役の黒﨑賢一氏と本講座の担当者である高橋徳行副学長が語り合った。

文/石川美香子 撮影/簗田郁子 デザイン/スープアップデザインズ
企画・制作/AERA dot. AD セクション

「就職」以外の働き方を知る

高橋徳行 副学長

武蔵大学

高橋徳行 副学長

経済学部教授。慶應義塾大学経済学部卒業、1998年米国バブソン大学(Babson College)経営学修士課程修了。国民生活金融公庫(現日本政策金融公庫)総合研究所主席研究員を経て現職。専門はアントレプレナーシップ。

─全15回の前期講座が終わりましたが、感想をお聞かせください。

高橋徳行副学長(以下、高橋) コロナ禍で前期授業がすべてオンラインになり、当講座も一時は延期も考えましたが、オンライン開催を決めました。現在活躍中の起業家やベンチャーキャピタリストが多数登壇する当講座の一番の目的は、学生たちに将来のキャリア形成において、企業への就職だけでなく、「起業」という選択肢もあると知ってもらうこと。学生に大きな刺激を与えるのが前期授業の狙いです。今回、黒﨑さんにご登壇いただいたのも、武蔵高校OBでこのキャンパスに以前いらした方であり、20代若手起業家と、学生にとってより身近に感じられる方だということが大きかったです。

黒﨑賢一氏(以下、黒﨑) ありがとうございます。武蔵高校時代、僕は横浜市のビジネスプランコンテストに応募したことがあります。厳しい面接があり、いい経験になりました。

高橋 登壇された方はいろいろなことにチャレンジして乗り越えてきた方たちばかりで、どなたの講義も刺激的だったと思います。学生はどこか「憧れ」や「かっこよさ」、「身近さ」などを感じることで、それを目指そうとしますから、多彩な顔ぶれを目指しました。

黒﨑 アパレルからハウスクリーニング、家事代行業など、講師の業種もバラエティに富んでいましたよね。

高橋 はい。今回、履修生119名の6割は大学1年生でしたが、オンライン授業になって、その父兄の参加者もいました。講師と授業時間にZoomでつながって、各回とも講義60分、質問30分。毎回A4判2枚程度の課題提出もありましたが、提出率も高かったです。

リアルなビジネスの発想を学ぶ

黒﨑賢一 氏

株式会社BearTail
代表取締役兼CEO

黒﨑賢一

武蔵高等学校中学校卒業。高1からテクニカルライターとして活動し、筑波大学情報学群在学中の2012年にエンジニア仲間を集め株式会社BearTailを設立。https://beartail.jp/

─BearTail社は「時間革命で体感寿命を延ばす」が企業理念ですね。

黒﨑 ええ。面倒な経費精算などを自動化して新たな時間創出に貢献する会社です。発端は、大学で初めて一人暮らしをして散財し、親に怒られて家計簿をつけ始めたことです。ところが面倒で続かず、自分用に大学3年時に家計簿アプリ「Dr.Wallet」を作ったのが始まりです。その技術を法人向けに転用したのが「Dr.経費精算」。特色は「テクノロジーと人力の融合」です。スマホで撮ったレシートや領収書をオペレーターがデータ化する仕組みを作りました。「ヒューマンコンピュテーション」と呼んでいますが、ITは人の雇用を奪うというイメージも覆し、2000名ものオペレーターの雇用を創出しています。

高橋 今はデジタルの中だけでビジネス構築を考えがちですが、「人の力」を入れてシステムを簡易にする「発想の転換」をした良いビジネスモデルですよね。

黒﨑 ありがとうございます。僕は高校時代は劣等生で、成績はほぼ最下位でした。高校1年からテクニカルライターとしてPC雑誌出版社で毎月企画を出し、記事を書いていましたが、その経験が今も役立っていますね。筑波大学にはAO入試で合格して、先生には驚かれました。

高橋 黒﨑さんのその優等生らしくないところも学生には身近に感じられたと思います。講義後も多くの質問を受けていましたね。

黒﨑 はい。投資家向けの資金調達資料なども講義でお見せしましたが、専門的な質問もあって驚きました。

「やりたいこと」をまずは見つけよう

─後期授業では「ビジネスプランの作成」もあるそうですが、どんな内容を予定していますか?

高橋 プランニングのヒントになるような授業を行い、実際にビジネスプランを作成します。アイデアを出し合う過程で、ランチミーティング的にオンラインで講師と学生がラフに話せる場も設けたいですね。延期になったミャンマー研修も来春の実施を検討中です。現地のアントレプレナーに会い、フィールドワークを行います。集大成として来年2月に「ビジネスプランコンテスト」を予定しています。最優秀者には起業準備資金として最大100万円の賞金と起業のための協力体制も用意します。学生には、いろいろなものを見て、体験して、自分に何ができるか、世の中と対話しながら、「やりたいこと」を見つけられる人になってほしい。そのきっかけになればと思っています。目的をもって学ぶことが大切です。

授業風景

黒﨑 僕も最近、「時間ってなんだろう」「命ってなんだろう」と考え始め、物理学の本を引っ張り出して相対性理論などを勉強しています。目的を持って学ぶとすごく楽しいし、頭に入る。早くそれに気づけていれば、大学時代の講義やゼミの学習効率も上がったのに、と思います。

高橋 目的を持った学びだとモチベーションも維持できますよね。そして、アントレプレナーシップの考え方を身につけていれば、「どうやったらできるか」を考え、新しいことに挑戦できるマインドを持つ人になれる。こうした思考は今後、何をするにも役立つのだろうと思います。

ABOUT THE LECTURE

武蔵大学の「アントレプレナーシップ-新しい事業を始めるための経営学-」とは

今年度開講した学部横断的な寄付講座。学生は前期・後期を通じて起業家やベンチャーキャピタリストの話を聴き、ビジネスプランの立案・作成・発表をする。受講学生を対象にしたビジネスプランコンテスト(最大賞金100万円)も開催。希望者への起業の支援も予定している。
アントレプレナーシップは鉄道王と呼ばれた実業家・根津嘉一郎が創立した同大の教育目標「自立」「対話」「実践」にも通じる。
武蔵学園創立100周年を迎える2022年に、武蔵大学は新学部となる国際教養学部(仮称)設置を構想中である。アントレプレナーシップが全学部対象の副専攻となることで、大学に新しい風を吹き込む。

武蔵大学
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