ワーキングウーマンのための”新ライフマネジメント論”みなさん、ちゃんと休めていますか?

9月の平日、夜7時。約450人の女性たちにご参加いただき、7回目の「『AERA』働く女性応援プロジェクト」トークイベントが開催された。今回のテーマは「上手な休み方」。人気占い師のしいたけ.さんと、フリーアナウンサーの宇賀なつみさんを迎え、心と体に効く休み方を探った。
協賛 :ギグワークス、富国生命保険、リクルートマーケティングパートナーズ、ISHIYA(イシヤ)
文/武田 洋子 撮影/簗田 郁子 デザイン/洞口 誠、大内 和樹 企画・制作/AERA dot.ADセクション

特別講演の壇上には「AERA」編集長の片桐圭子、宇賀なつみさん、そして二人の間に「今日のために新調した」というニューバージョンのしいたけ.さん人形。何やらこの光景だけでほのぼのと気が緩む

  • 占い師・作家しいたけ.さん
    早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究するかたわら学問として占いを学ぶ。「AERA」でコラム「午後3時のしいたけ.相談室」を連載中。仕事や人生の悩みに回答する、心に響くポジティブな言葉が人気を博している
  • フリーアナウンサー宇賀 なつみさん
    立教大学社会学部を卒業後、テレビ朝日入社。夜のニュース番組でレギュラーを務めた後、平日早朝からの情報番組を担当。2019年4月にテレビ朝日を退社、フリーランスとして活動の幅を広げる
  • 「AERA」編集長片桐 圭子
    1995年、朝日新聞社入社。「AERA」で女性、子ども、教育、働き方、事件、ベンチャー企業などを幅広く取材する。宣伝プロモーション部などを経て2018年9月から現職

少し仕事するのもアリ
ゆるーい休み方が向く人も

 4月にフリーアナウンサーになった宇賀なつみさん。「休み方」はこれまでとは劇的に変わったという。
「入社して10年、仕事は本当に楽しかったのですが、3日以上の連休が取れたことはありません。退社したからには働き方改革をしようと思い、今は自分なりに時間管理をしています。ここ数カ月でようやく、月に1度は意識して連休を取るようになりました」
 朝の番組を担当していて時間が不規則だった以前と比べ、きちんと睡眠が取れる生活で、肌の調子と仕事のパフォーマンスがすこぶる上がったとのこと。一方のしいたけ.さんも、休むのはあまり得意ではない。
「去年、休もうとハワイ旅行を強行したんですが、予定を詰め込みすぎて疲れ切ってしまって。それで『休みはこうしなきゃ』と決めない、ちょっと仕事もしていい、くらいのほうが精神的に休めるんだとわかりました。遠くへ行ってまで仕事していると、『俺は偉い。必ず天国に行ける』と思えます」

タスク多い女性
ダラダラに罪悪感

 来場者からは「ダラダラすることに罪悪感を覚える」という悩みも寄せられた。しいたけ.さんは、女性のほうが休みにくいのではないかと指摘する。
「20代の頃に女友達が『やっと就職したと思ったら次は結婚を急かされる。一体いくつクリアすればゴールになるのか!』と憤っていて、男はとりあえず仕事をしていればOKだけど、女性はそれ以外のタスクが多いんだなあと思いました。これは男と共同しないとしんどい。『これはやっといて!』と言える勇気が必要かもしれません」
 お盆の時期や年末年始の休みには妻・母・嫁としてのタスクをこなす片桐編集長も、完全にスイッチオフすることが難しいようだ。
「しかもダラダラしていると、『この時間で本が一冊読めたのに』と後悔してしまうんです」(片桐)
「そういう繊細な真面目さは美点ですよ。でも『ダラダラできてよかった』と思えるといいですね。みなさん本当に頑張っているので、自分をもっと甘やかしていいと思います」(宇賀さん)
「実はダラダラには底があるってご存じでした? 僕は休日は液体化しているので、立ち上がれただけで達成感があるんですけど、底を打つと起きようかな、という気持ちになる。みなさんもその境地に達するまでダラダラしてみてください」(しいたけ.さん)
 しいたけ.さんの見るところ、幸せ度合いの低い人は食事への関心が薄いそうだ。何を食べたいのかわからなくなったら、強制的に休みを取るタイミングとのこと。気をつけたい。

休みが必要なのはみな同じ
周囲は受け入れてくれる

 ダラダラできない片桐編集長、人に会って気分転換したい宇賀さん、液体化するしいたけ.さん。人により心安らぐ休日のあり方は違う。しいたけ.さんはそれを「リーダー」「組織人」「ムードメーカー」「作家」の4タイプに分け、それぞれに合う休み方をアドバイスした。
「リーダー」は自分の顔色の悪さを人に悟られたくない人。「組織人」はつい他人の顔色を読んでしまう。「ムードメーカー」は人に受けているかどうかがいつも気になり、「作家」は365日集中していて季節の変化にも気づかない。あなたはどのタイプだろう?
「リーダータイプは個室や薄暗いカフェだと心休まり、組織人は外国人のやっているシュラスコのお店などに行くのがオススメ。満面の笑み、タメ口で無礼講に話しかけられるうちに、新しい扉が開きます。ムードメーカーは山登りやボルダリングみたいに目標を設定して黙々と達成すると日常から解放されますね。作家タイプは、たまには地域のお祭りとか文化的なイベントに参加してみては」(しいたけ.さん)
 宇賀さんとしいたけ.さんは、“周囲は理解してくれる、休みを取っても意外と大丈夫”だと口をそろえる。
「僕も『休みたい』と言うのは覚悟がいりましたが、8割の人が温かく『そうだよね』って」(しいたけ.さん)
「私も慣れない現場で弱音を吐いたとき、周囲に支えてもらいました。人ってけっこう優しいですよ」(宇賀さん)
 心と体のために休みは絶対に必要で、それは誰もがお互いさまなのだ。ゲストお二人の言葉が心に染みた。

「ギグワークスのブースでは、個々の多様なライフスタイルや人生のステージに合わせ、「必要なときに必要なだけ働ける」ギグワークのあり方について紹介。働き方を自分で選べる時代がきたことを実感する

リクルートマーケティングパートナーズのブースでは、同社が提供する英語学習アプリ「スタディサプリENGLISH」を体験。実際にタブレットを触り、1回3分からTOEIC対策・ビジネス英語学習ができるスキマ時間の活用方法を試してもらった

1947年創業、「白い恋人」でおなじみのISHIYA。GINZA SIXなどにも店舗を構え、従来の土産用菓子とはまた違う、北海道外限定の新ラインアップを展開。ブースでは新スイーツ3種類を配り行列ができた

来場者の方々にはスイーツと飲み物を手に場内を回遊していただいた。しいたけ.さんのアイコンと一緒に「AERA」表紙風の背景で写真を撮れるブースも人気

提供:AERA