「貯蓄から資産形成へ」の入り口に
Tポイントを使い株が買える
金融╳ITの新たな可能性

ネット証券最大手※1であるSBI証券と、共通ポイントサービス「Tポイント」を核としたデータベースマーケティング事業を展開するCCCマーケティングが設立した合弁会社、「SBIネオモバイル証券」。若年層や初心者がスマホで簡単に株式投資できるサービスについて、小川裕之社長に聞いた。

※1 出典⁚SBI証券決算説明資料

文/武田 洋子 撮影/スケガワ ケンイチ 企画・制作/AERA dot.AD セクション

令和最初のインタビューとなった今回、
片桐編集長のレポート史上最年少の社長としてご登場いただいた。
ポイント投資の時代がやって来る

興味の薄い若年層に
資産形成への道を開く

小林 章一

小川 裕之 Hiroyuki Ogawa

株式会社SBIネオモバイル証券 
代表取締役社長
1998年、三和銀行(現三菱UFJ銀行)入行。通信事業会社に出向時、携帯電話を使った新たな決済サービスの立ち上げに携わる。2005年、伊藤忠商事入社。その後GMOクリックホールディングスを経て、13年SBI証券入社。経営企画部長、執行役員を経て、17年に同社取締役就任。18年から現職を兼任。

片桐 このインタビュー企画で、私よりお若い社長は初めてです。よろしくお願いいたします。

小川 若輩者ですが(笑)、よろしくお願いします。

片桐 小川社長はSBIネオモバイル証券の設立段階から関わっていらっしゃるそうですね。単に「モバイル」ではなく、「ネオ」なのはどのあたりですか。

小川 今はスマホを中心に取引を行いますが、10年後もスマホが一般的なモバイルツールであるとは限りません。そこで常に進化するモバイルをイメージし、新しいという意味の「ネオ」をつけました。もちろん、従来にないサービスという意味もあります。

片桐 本誌でも平成を振り返る記事を掲載しましたが、確かに初めて携帯電話でインターネットに接続できたときは世界が変わるほどのインパクトがありました。それも今は当たり前、どんどん進化しています。

小川 私は20年近く前、銀行からの出向で携帯電話を使った新たな決済サービスの立ち上げに関わっているんです。

片桐 そうだったんですか! では当時から金融とモバイルの融合を体現されていたのですね。SBIネオモバイル証券は誰のための、どんな証券会社ですか。

小川 会社設立の背景には、なかなか社会に浸透しない「貯蓄から資産形成へ」の流れがあります。難しそう、損をしたくない、元手がないなど、投資に対する心理的・金銭的なハードルは高い。資産形成に興味がない、あるいは関心はあっても踏み出せない若年層に、いかにアプローチするかが課題でした。そこで既に若年層をつかんでいる企業と手を組み、商品数を絞って選択肢をシンプルにするなど投資を始めやすいサービスで、潜在ニーズに応えることにしたんです。

片桐 若年層をつかんでいる企業として選ばれたのが、データベースマーケティング事業を行うCCCマーケティングですね。今年4月から提供が始まったサービス「ネオモバ」は、そのTポイントを使って株が買えるという業界初の試みだそうですが。

小川 Tポイントは、過去1年間に利用したアクティブでユニークな会員数が6908万人※2、日本の20代の8割以上が保有している日本最大の共通ポイント※3です。提携先店舗数も多く、手を組むことで多様なアライアンスが可能になると感じました。昨年5月に初めてCCCマーケティングを訪問し、半年弱で合弁会社を設立しています。

片桐 そのスピード感、先方も乗り気だったんですね。

小川 他のポイントサービスが金融事業に参入したりスマホ証券が設立されたり、競争環境が形成されつつあるなか、あちらも新たな道を検討中でした。SBI証券はネット証券最大手であり、Tポイントの新しい価値を提供するうえで最適と評価され、ご快諾いただけました。

※2 2019年3月末時点、Tポイント・ジャパン調べ。

※3 主要な共通ポイントサービスの提携先店舗数を基準とする。

貯めたポイントで
1株から購入できる

片桐 「ネオモバ」の具体的な特長について教えてください。

小川 Tポイントを使って、国内株式を1株から購入できます。自分のお金でリスクを負うのはイヤでも、買い物でおまけについてきたポイントなら使いやすいでしょう。国内株は通常100株単位で取引されますが、弊社は1株単位から注文をお受けする仕組みを用意しました。また手数料も従来のような取引ごとではなく、売買代金に応じた月額制で何度でも取引可能なサブスクリプションモデルを採用しました。例えば月間の売買代金50万円までなら月額200円(税抜き)で、いろいろな挑戦ができるわけです。ロボアドバイザーによる全自動の資産運用サービス、3ステップの簡単取引、見やすいスマホ画面のデザインなど、徹底的に資産形成へのハードルを下げる工夫を凝らしてあります。

片桐 他社のサービスの多くが「ポイント運用」なのに対し、御社は「ポイント投資」をうたっています。

小川 「ポイント運用」は、投資信託などに連動してポイント自体が増減する疑似投資体験です。最終的に増やしたポイントがモノに換わっても、資産形成にはつながりにくい。一方、我々のサービスである「ポイント投資」は実際に株という金融商品を買うわけです。数百円から株主になれて、株主優待や配当が期待でき、売れば現金になる。そういう経験をなるべく多くの初心者・若年層にしていただきたいのです。資産形成は長期的に見ていくものですから、始めるのは早いほうがいいし、若いうちにトライ&エラーを実行して投資家として育っていく機会になればと。そうすれば将来、経験を生かして相続の一部を投資にまわすなど、選択肢の幅も広がるでしょう。

片桐 本格的な投資の入り口になるわけですね。金融商品の中で、投資信託ではなく株に絞ったのはなぜですか?

小川 消費から投資への流れを作りたかったからです。買い物をして貯まったTポイントで株を買うときに、好きなお菓子のメーカーの株を選ぶなど、消費行動に紐付いた選択ができるところが、金融商品としてもわかりやすいと思いました。

片桐 今年4月10日からサービスを開始して約1カ月(取材時)、ターゲット層に響いていますか。

小川 SBI証券の20代顧客が7%と申し上げましたが、「ネオモバ」では4月末の時点で約15%と倍になっています。今後の数値目標として、早期の50万口座獲得を掲げていましたが、開業早々口座数1万を超え、上々の滑り出しと言っていいでしょう。初心者層だけでなく、既にネット証券の口座を持つ人が、手数料などの安さから口座開設をするケースも増えています。女性は2割くらい、まだまだ低いですね。消費の大半を握るのは女性だそうなので、消費に紐付いた「ネオモバ」としては、もっとアピールしたいところです。

片桐 私のスマホにも「ネオモバ」の広告が出てきます。ネット証券の顧客との接点はやはりネット広告なのでしょうか。

小川 SBI証券は新聞・テレビなどマス媒体への広告を出していません。しかしSBIネオモバイル証券が対象とするのは、そもそも投資に興味のない人たちです。そういう層には、マス媒体こそが有効なチャンネルなのかも知れません。例えばアエラのような雑誌に掲載されることも、潜在的なユーザーに安心感を与えられるのではないかと考えています。

かけ算の面白さ
証券界に風穴を開ける

片桐 圭子

片桐 圭子 Keiko Katagiri

AERA 編集長

片桐 小川社長は銀行や商社などいろいろな業界を経験されていますが、お仕事の専門を聞かれたら何とお答えになりますか。

小川 ネット金融で新しいものを生み出すということでしょうか。銀行からは通信会社に、商社ではFX事業会社にそれぞれ出向する中で、ネットリテールをやりたいと思うようになり、2000年くらいからずっと、金融とITの融合を考え続けてきました。

片桐 そのお仕事の魅力は何ですか。

小川 かけ算の面白さですね。「ネオモバ」はお客さま×数百円のビジネスです。お客さまにとっては負担が少なくて済む小さな金額ですが、お客さまの数を増やせば増やすほど、大きなビジネスになっていきます。それが面白い。証券会社って、もっと高額の投資を推奨するイメージではないですか。そういうゴリ押しイメージの証券界に風穴を開けたいですね。

片桐 ポイントを株購入に使うというビジネスモデルは、社会にどんなインパクトをもたらすのでしょう。

小川 消費は国民全員が行うことであり、その消費に紐付いたポイントと投資を結びつけることで、貯蓄から資産形成へと至る流れの第一歩になるのではないかと思います。若年層・初心者のお客さまとの長いお付き合いに期待して、皆さんのプラスとなるようなサービスを展開していきたいと考えています。

片桐圭子の編集後記

 手のひらからインターネットへつながる携帯電話のIP接続サービスは、登場以前と以後とでは世界が変わるほどの衝撃がありました。その境目に立ち会われたご経験が、今のビジネスの原点なのではないかと感じます。お話を伺っていて、取扱商品を国内株式に絞る、注文画面がシンプル、取引コストは定額で抑えるなど「削ぎ落とし方」が潔いなと思いました。何かを削り落とすのは勇気がいりますが、これこそが若さの強みなのかもしれません。

SBIネオモバイル証券の取扱商品等への投資には商品毎に所定の手数料や必要経費等のご負担があります。株式取引手数料は無料ですが取引有無に係わらずサービス利用料(月額)がかかります。各商品等は価格変動等により損失を被る可能性があります。手数料等及びリスクは商品毎に異なりますので詳細はSBIネオモバイル証券WEBサイトの商品ページ、金融商品取引法に係る表示、契約締結前交付書面等をご確認ください。

株式会社SBIネオモバイル証券(金融商品取引業者) 関東財務局長(金商)第3125号 加入協会/日本証券業協会

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提供:SBIネオモバイル証券