AERA English 特別号「英語に強くなる小学校選び2019」出版記念講演会 AIの新時代、国際人は小学校英語から生まれる

続いては公立小学校の試みとして、早くから英語教育を取り入れてきた港区の事例が紹介された。また協賛校として、「英語に強くなる小学校選び」に掲載されたトップ校のうち、青山学院初等部とアオバジャパン・インターナショナルスクールの取り組みが紹介された。

多くの外国人が居住する港区 全校にネイティブの先生が常駐

小林 傑(こばやし・たけし)さん

「公立小学校の英語教育〜港区の『国際科』授業」港区教育委員会 主任指導主事
小林 傑(こばやし・たけし)さん

 公立小学校の取り組みは東京23区内でもさまざまだが、約2万人の外国人が居住する東京都港区では早くから国際的な学びを意識していた。

 「平成17年度に教育課程特例校(旧構造改革特別区域研究開発学校)の認定を受けました。区立小学校では1年生から6年生まで週に2時間、『国際科』という授業を設けています。しかし国際科の目的は、英語力を身につけることよりも、国際人としての資質を醸成することにあります」

 国際科では、異文化理解と多文化共生、伝統文化の理解と発信を通じて、コミュニケーションを図ろうとする子どもを育成する。特長的なのは全校にネイティブティーチャーが常駐している点だ。授業だけでなく、掃除も休み時間も子どもたちとともに過ごす。

 「授業はネイティブティーチャーと担任のチーム・ティーチングです。英語に関しては年に8回の教員研修を設けています。各校に中心となる先生がいて、その先生が研修で得たことを他の先生に伝えるという方法で授業の質の担保・向上に努めています」

 区内で行ったアンケートでは、「街で外国人を見かけたら英語で話しかけたいと思いますか」との質問に小学6年生の78%が肯定的な答えを返している。国際科の成果の表れと言えるだろう。

研究に基づく独自教材で1年生から英語授業開始

青山学院初等部

合田紀子(ごうだ・のりこ)先生

青山学院初等部 英語科教諭 主任
合田紀子(ごうだ・のりこ)先生

 「本校では小学1年生から英語の授業が始まります。本学院の英語教育研究センターが開発・制作した『SEED BOOKS』というオリジナルの教科書を使い、高校3年生までの12年間を三つに分けた4・4・4の体制でカリキュラムを組んでいます。初等部についてお話ししますと、1年生〜4年生は音声を中心に、5年生〜中学2年生は自国と他国の文化や歴史、価値観への気づきを促します。高学年になると外部スピーカーを招いての授業やディスカッション、プレゼンテーションの機会が増え、グローバル社会で活躍する上で欠かせない資質を育みます。

 カリキュラムには、世界の国々の自然保護や食糧・教育問題などを考えるグローバル教育とキリスト教教育が含まれ、これは本校ならではの特色と言えるでしょう。ICT教育を積極的に取り入れ、国内のインターナショナルスクールおよび海外の学校との交流も盛んです。今後も『英語の青山』の伝統を進化・充実させ、子どもたち一人ひとりが英語または他言語を用いて、夢に向かって羽ばたくための教育を実現していきます」

詳しい情報はこちら http://www.age.aoyama.ed.jp/

幼少時からの質と量がバイリンガルの基礎を築く

アオバジャパン・インターナショナルスクール

宇野令一郎(うの・れいいちろう)取締役

アオバジャパン・インターナショナルスクール
宇野令一郎(うの・れいいちろう)取締役

 「今日は参加者の方々から寄せられた質問を中心に、本校について説明します。まずインターナショナルスクールとは国際的なカリキュラムにのっとった学校を指し、国際的な認証があれば高校卒業時に大検を取る必要はありません。『日本人のアイデンティティーが失われるのでは』というご心配については、確かにある程度ご家庭でフォローアップしていただく必要があります。1、2歳で入学すると小学3年生くらいで英語が第1言語になるからです。

 経験的に、英語習得の臨界期は好き嫌いが始まる4、5歳以前だと感じていますが、バイリンガルの基礎を築くなら、重要なのは質と量です。今はご家庭でも無料で視聴できるプログラムがたくさんありますので、乗り物や動物など、お子さんが何に興味があるかをまず考え、関心の持てる分野から家庭でもできるだけ英語に触れる量を増やすことをお勧めします。最後に、本校では国際バカロレア(IB)の探究→行動→振り返りのサイクルをまわすアウトプット重視の学習(探究型学習)を重視しています。IBについては『英語に強くなる小学校選び 2019』に詳しく載っていますので、ご参照ください」

詳しい情報はこちら https://japaninternationalschool.com/ja/

ブースの模様

当日は青山学院初等部、アオバジャパン・インターナショナルスクール両校がブースを出し、休憩時間や講演後には入学案内を手に参加者が列をつくった。英語専門の先生方も列席しており、関心の高い英語教育について率直に質問し、疑問を解消することができたのではないだろうか。夫婦での参加も多く、この日の講演が小学校選びの一助になることを願う。

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